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納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

#156 江夏⇔高橋直 トレードの泥沼化 ③

2011年02月16日 | 1981 年 
   



揉めに揉めた「功労金」を巡るゴタゴタがキャンプインが目前となった1月中旬に、ようやく決着しました。
1月10日から日ハム投手陣の合同自主トレが始まり、キャンプに向けて球界が動き始めても膠着状態の
ままで、最悪の場合はトレードが御破算になるのではとの懸念が出始めていました。「あんな純真な男が
ナゼ?(安藤ファームディレクター)」 「誰かに踊らされているとしか思えないよ。功労金が貰えるなんて
考えられない事だよ(丸尾球団顧問)」と球団内から非難の声が出始めた1月14日に高橋が突如として
広島東洋カープの球団事務所を訪れて「お世話になります」と移籍を了承しました。

通告から3ヶ月、今季最大のトレードがこれほど揉めた裏には高橋のある勘違いが原因でした。通告後
スポーツ紙上で「功労金・1千万円」が一人歩きし、本人はもとより夫人までがその気になり周囲までも
巻き込んでしまったり、騒動の最中に不幸にも夫人が流産してしまい感情的になってしまったことなど
本題と関係の無いところで揉めてしまい長引いてしまいました。

丹羽球団社長・三原球団代表が1月10日に都内で高橋と会談し「野球協約に基づいた話し合い」の
形は崩さず、一方で「引っ越し代 50万円に餞別費として500万円」に上積みした譲歩案を提示して
高橋もこれを了承したと言われている。「金銭の事でゴネていると誤解されているけど問題は球団の
態度。2ヶ月も粘っただけあってトレードのあり方や球団の態度に対する一選手の抗議は達成された
これでスッキリした気分で広島へ行ける」と気持ちは既にカープの一員だそうだ。

当時の各球団のフロント陣は主に親会社からの出向社員が就き、数年で定期的に交代する場合が多く
前例を踏襲する「事なかれ主義」が殆んどで、球界を改革しようという球団は有りませんでした。 しかし
日ハムは選手・監督の経験者である三原脩球団代表を起用していて他球団とは状況が違っていました。
三原氏はプロ野球界の悪しき慣習には否定的で今回の騒動は球界浄化を求める三原氏の存在が関係
していたのかもしれません。これだけ揉めて入団した高橋でしたがセ・リーグの水が合わなかったのか
2年間の在籍で僅か2勝に終わり、あっさり西武へトレードされてしまいました。




 


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