その昔 『がんばれ!!タブチくん!!』 という漫画で面白おかしく題材にされていましたが、田淵という選手は「天性のホームランアーチスト」と呼ばれ王の14年連続本塁打王のタイトルを阻止した天才でした。それを知る世代の人間は 『がんばれ・・』 で笑いのネタにされる田淵に複雑な思いをしたもんです。
まさに異例中の異例の出来事。プロ野球選手がシーズン中に神社へ厄払いへ行く羽目になるとは・・秋田市へ近鉄戦の為に遠征した際、市内から車で20分ほどの太平山三吉神社を訪れた田淵。前々日の試合で一塁から三塁へ「激走」してスライディングした時に古傷の右ヒザを痛めてしまった。診断の結果は「右ヒザ関節捻挫で全治10日の安静が必要」との事。今年の田淵はツイてない。思えば昨オフからケチがついて御難続きだった。ワラにも縋る思いで厄払いにやって来たのだ。
ゴルフの最中に右足首を捻挫して1ヶ月間のギプス生活。しかもその間に博子夫人との離婚騒動が起こり一時は裁判沙汰に発展しかけたが、有力後援者の仲裁でどうにかキャンプ前には協議離婚で一件落着。オープン戦では右ヒザを打撲して全治10日。開幕して2試合連続本塁打を放つも以降はパッタリ当たりが止まり96打席も一発が出ないスランプに陥る。その最中にジャネット八田さんとの醜聞が週刊誌に書かれ球団から1週間の謹慎処分を受け、おまけに自分が不在の間はチームは絶好調ときては立場がない。
「指名打者だから打球を追ってフェンスに激突したわけではなく、ただスライディングしただけで捻挫した。野球選手として当たり前のプレーをしたら怪我をするとは、いかに普段の練習を怠っているという証拠ではないか。ときどきホームランを打ってスターでござい、年俸3千万円でございと言われてもねぇ・・」 現在の田淵を見つめる眼はシビアである。確かに球団創設に際して目玉選手として三顧の礼で向かえられたが西武という組織は非常さも持ち合わせている。田淵の移籍には大きな代償を払っていて当時のクラウンが手塩にかけて芽が出始めていた若菜や真弓の有望若手を手放している。一昨年、政財界のお歴々を招き東京プリンスホテルで開かれた球団結成披露パーティで堤オーナーが「1年目は勝敗を度外視した顔見せ興行。田淵くんのようにとにかく明るく愛されるチームになって欲しい」と発言したように田淵の役割は成績ではなく明るいイメージ作りであった。その意味では田淵人気で旗揚げ興行は成功したが果たして田淵のトレードそのものは成功したのかと問われれば疑問符がつく。
加えて今回の女性スキャンダルが起きて、クリーンさ大事にしている西武にとって看過できない。成績は残せない上にイメージもダウンでは田淵の存在意義が無いのだ。斬新な新球場、豪華な宿舎をはじめとした諸設備にふんだんな投資を惜しまず、年俸も他球団の選手が羨む金額を積む一方で「商品」としての価値が無いと判断したら容赦なく切り捨てる面もあるのが西武だ。球団内部では今回のスキャンダルに対して「阪神が次世代監督候補と思われていた男をアッサリと捨てた理由が分かった。田淵という人間は所詮、指導者の器ではない。ボンボンで人の上に立てる器量はない」との評価が下されている。謹慎処分期間中にジャネット八田さんとの結婚を正式に発表した事で今回はこれ以上のお咎めは免れたが、本気で心を入れ替えて真剣に野球に向き合わないと田淵の野球人生は早々に終わってしまうかもしれない。
離婚の5年前、新婚2年目のツーショット。既にビニョ~な空気を漂わせています・・