
森昌彦氏の入団で高まる不安
本誌先週号で報じた通り森昌彦氏(40歳)のヤクルト入団が正式に決定した。11月15日、東京・赤坂のホテルニュージャパンで相馬球団代表は森氏と二度目の入団交渉をし、契約金1000万円・年俸840万円で合意を得て2年越しの " V9頭脳 " の導入に成功した。これで広岡監督、堀内投手コーチ、淡河二軍バッテリーコーチなど燕党ならぬ巨党体制が整い他の4球団と共に巨人包囲網の基礎作りを完成させた。だが一部でヤクルト生え抜きコーチと巨党の外様グループとの軋轢を危惧する声があるのも事実。「森君には一応バッテリーを担当してもらうが作戦面でも大いにアドバイスしてもらうつもりでいる」と広岡監督。従来からヘッドコーチは配置しないという言質と異にする。
実は生え抜きコーチはいずれも1年契約だが森氏は2年契約。一説には入団交渉の席で森氏は3年契約を求めていたという。だがそれは自分の身の保証ではなく、これまでとは違った野球観をチームに浸透させるには3年は必要だと考えたからだ。結果、2年契約となったわけだがヤクルトにとっては異例の待遇だと言える。「ウチは守備コーチが打撃に、打撃コーチが守備について意見を言うことが許されている。お互いが自分の領域に閉じ込まらず活発な意見交換をした方がチームにプラスだと考えるから」と広岡監督は言う。ここ1~2年は表立った動きはないがヤクルトは生え抜きと外様の軋轢がコーチだけでなく選手間にもあるらしい。不安は尽きない。
晴れバレ
例の「徹マン事件」発覚で二軍落ちしてから一軍に戻ることはなかった " ヨサ " こと中村国昭選手が、実に晴れバレとした表情で秋季練習に参加している。根が職人気質の " むっつりヨサさん " に一体どんな心境の変化が。「未来が開けたからね。俺をかってくれる所があると思えば気合いも入るさ」とニヤニヤする。何があったのか?実は三浦政基投手(日ハム)との交換トレードが内定したのだ。両球団からの発表は未だされていないが気分は既に日ハムの選手で新天地での活躍を胸に描いている。尤も、周囲では「あのやる気をもっと早く出していればウチに残って活躍できたろうに勿体ない」との声が。
