面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「ウォーロード 男たちの誓い」

2009年08月19日 | 映画
中国・清朝末期。
太平天国の乱が巻き起こる中、敗軍の将となった清将軍のパン(ジェット・リー)は、リィエン(シュー・ジンレイ)という女に助けられ、一夜を共にした。
その後、食糧を求め街へ立ち寄ったパンは、青年ウーヤン(金城武)と出会い、彼の村へと招かれる。
しかしウーヤンたちは盗賊で、官兵のパンは村のリーダーでウーヤンの兄・アルフ(アンディ・ラウ)から拒絶される。
しかも、リィエンはアルフの妻であることがわかり、パンはショックを受ける。

そんな中、清の軍隊が村へと押し寄せ、食糧を略奪していった。
盗賊のままでは、官軍が勝手な振る舞いをしても公然と歯向かえない。
いつまでも日蔭者のような暮らしをし続けることになるとの思いから、パンはアルフを説き伏せ、盗賊から官軍へと衣替えさせ、ウーヤンと3人で義兄弟の契りを交わし、共に闘うことを誓う。
パンはアルフ達を引き連れて再び清軍の将軍に返り咲くと、怒涛の快進撃で瞬く間に反乱軍・太平天国の本拠へと迫った…

崩壊寸前の清朝時代を舞台に、義兄弟の契りを結んだ3人が、共に乱世を戦い、やがて悲劇へと堕ちていくまでを描く歴史スペクタクル。
物語のベースとなっているのは、これまで中国では何度も映像化されている、清朝末期に起こった馬新貽暗殺事件。
真相が謎に包まれたこの事件を、ラブストーリーに定評のあるピーター・チャン監督が、3人の男たちによる熱い思いがたぎる、男くさい骨太な作品に仕立て上げた。

清の将軍であるパン、元は盗賊一味の首領であり何よりも仲間を大切にするアルフ、そして二人の義兄を支えて忠節を尽くす義に厚いウーヤン。
3人の力で快進撃を続けながら、微妙にズレていくそれぞれの思いを、繊細なタッチで描くチャン監督の演出が見事。
ラブストーリー作りで培った心理描写が、男たちの思いの描き方にも活きているのではないだろうか。

観る者に様々な思いを抱かせる、余韻が味わい深い秀作。
公開直前に試写会にて大スクリーンで堪能したが、いよいよDVD化されて再登場。


ウォーロード 男たちの誓い
2009年/香港・中国  監督:ピーター・チャン
出演:ジェット・リー、アンディ・ラウ、金城武、シュー・ジンレイ、 シ・チャオチー


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