面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「ディア・ドクター」

2009年08月18日 | 映画
小さな山村で唯一の医師・伊野(笑福亭鶴瓶)が突然失踪した。
通報を受けて刑事が二人やってきて村人達に聞き取りを始めるのだが、伊野に対して全幅の信頼を寄せているにも関わらず、彼の過去や医師としての背景を知るものは誰一人としていない。

失踪2ヶ月前、東京の医大を卒業して赴任してきた研修医・相馬(瑛太)は、看護師の朱美(余貴美子)と3人で診察の日々を送るうち、伊野に尊敬の念を抱くとともに、村に残りたいとさえ思いはじめていた。
そんな思いを伝えられた伊野は、相馬に対して“重大な告白”を投げかけるのだが、相馬は伊野の照れ隠し全く取り合わない。
ある日、一人暮らしの未亡人、かづ子(八千草薫)が倒れたとの一報が入る。
後にこのことが騒動の引き金となるのだが…

西川美和監督待望の新作
前作「ゆれる」では、本当に衝撃を受けた
今回も、練りに練られた西川監督の脚本は絶品

僻地の医療環境や高齢化など、現代における問題点に鋭く切り込みつつも、決して重くならず、また暗く湿ったテイストも無く、どちらかと言えば軽いタッチの仕上がりで、「ゆれる」ほど観ることに対してエネルギーを必要としない。
前作とはまた、ひと味もふた味も違う、味わい深い人間ドラマに仕上がっている。
鶴瓶演じる無医村に赴任した医師・伊野は、村人から全幅の信頼を集めているが、その素性は謎に満ちていて、彼を連れてきた村長でさえ詳細を知らない。
そんな彼の失踪をきっかけに浮かび上がる、彼の行動と人物像を軸に展開される心理劇は絶妙の面白さ
ある種サスペンスとしても楽しめる。

映画の最後に八千草薫が見せる笑顔が何とも言えず愛らしい。
いつもながら、観る者の心に大きな余韻を残すラストシーンの演出は秀逸。
僻地の医療環境や高齢化など、現代における問題点に鋭く切り込みつつも、決して重くならず、また暗く湿ったテイストも無く、どちらかと言えば軽いタッチの仕上がりで、「ゆれる」ほど観ることに対してエネルギーを必要としない。
前作とはまた一味もふた味も違う、味わい深い人間ドラマに仕上がっている。
鶴瓶演じる無医村に赴任した医師・伊野は、村人から全幅の信頼を集めているが、その素性は謎に満ちていて、彼を連れてきた村長でさえ詳細を知らない。
そんな彼の失踪をきっかけに浮かび上がる、彼の行動と人物像を軸に展開される心理劇は絶妙。

映画の最後に八千草薫が見せる笑顔が何とも言えず愛らしくて素晴らしい。
いつもながら、観る者の心に大きな余韻を残すラストシーンの演出は秀逸。
今一番、映画らしい映画を撮ることができる若手監督だ。


ディア・ドクター
2009年/日本  監督・脚本・原作:西川美和
出演:笑福亭鶴瓶、瑛太、余貴美子、井川遥、香川照之、八千草薫


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