きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

中國の水不足は、空気汚染より深刻

2014-01-29 17:57:19 | Weblog
中國の水不足は、空気汚染より深刻      (2014-01.29.)

国連環境計画(UNEP)の基準では年間、1人当たり1700立方メートルを下回ると「水不足懸念」、1000立方メートルを下回ると「水不足」、500立方メートルを下回ると「絶対的水不足」と分類している。中国では、天津市、北京市、寧夏回族自治区、上海市、河北省、山西省、山東省、江蘇省の8省市自治区が「絶対的水不足」に含まれている。

この中でも、北京市は500立方メートルどころか、100立方メートルにも満たないのが現実だ。ところが、観光で北京を訪れ、ホテルで蛇口をひねれば水は勢いよく流れだすので、外国人が水不足を実感する事は無いと言う。その理由は、裏側で、中央政府が躍起になり強引な、引水によって各地から水をかき集めて来ている実態がある。その象徴とされているのが「南水北調」と言う水を引く大事業で、南部の長江から引っ張っている。その大事業は3つのルートで、08年に1本目が、10年に2本目が、それぞれ、ダムに溜めた物を送水している、そして、14年10月に3本目が、開通して、この事業の完成となるのであるが、その間にも供給源となった、丹江口ダムは、貯水量が不安定で、全体的に減少傾向が目立ち、そのまた、水源となって居る、長江の水にも陰りが、見え始めている。

最近の情報によれば、その長江に生息する魚類にも生態系の異変で危機に瀕している事が報じられている。河の汚染と水運の活発化で船のスクリューに巻き込まれて死んでしまう魚も多く、本流・支流の多くのダムが回遊路を絶たれてしまった事も、魚類に大きなダメージを与えているようである。

昔は、ヨウスコウカワイルカやスナメリが沢山生息していたが、今では半分以下で、後10年の内には、絶滅してしまうのではないかと懸念されている。

中國の水不足と汚染の実態は、年々深刻さを加え、その対策も地方任せで、実態に伴なって居ない事が、致命的である。

更に中国の水質汚染の問題は、表面を流れる河だけの問題ではなく土壌に広がり、更に地下水汚染にまで、広がっている。昨年の2月山東省濰坊の企業が汚染水を地下深くに捨てているという告発を受けて当局が調査に入った。これは、“盗排”と言う犯行行為で中国では夜中にこっそり川に捨てると言うシステムだと言っている。

国の発展は、山川の景色、清浄な空気の中で、発展するもので、国民の住めない様な環境の中では、国の発展は伴いません。中國の環境汚染は、そこに住む国民の健康をむしばみ、環境の汚濁を放置し、只、産業や経済の発展のみに思いを致しているから、それが、何れは国家の破綻を起こす事に繋がる事を思い知る時が来るのではないでしょうか。
(えびなたろう)


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