きまぐれ発言

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中露の急接近は微妙

2014-05-28 10:46:05 | Weblog
中露の急接近は微妙        (2014-05.28.)

プーチン大統領が5月20~21日に上海を訪れ、中國で行われた「アジア信頼醸成措置会議」(CICA)に出席、中露が協調して、対米・対日の牽制デモンストレーションを行った。

今回プーチンが上海を訪問した事の大きな目玉は、ロシアの政府系企業ガスプロムが2018年から2048年の30年間、毎年380億立方メートルの天然ガスを供給する事を契約した事だ。

プーチンは、ウクライナ問題で、EUとの交渉に唯一天然ガスの供給停止を、武器に脅して来たが、天然ガスの供給停止の行動は、即、自国の経済へも大きく影響を及ぼすので、脅しには使うが、遣る事へも躊躇している。
またEU側もロシアへの脅しとして銀行の新規融資を渋る事等が考えられていたが、中國は、ロシアの大量に持つ天然資源を当て込んだ新規融資が得られると言う狙いがある様だ。

其の事から、今回の中露の連携はロシアに取っては、渡りに船の事で、プーチン氏は今回の契約を、ロシアのガス産業史上で最大規模と呼び、その意義を強調している。
そして、「中國はロシアに取って頼りになる友人だ」また、「何世紀にもわたる歴史上、最高水準に達している」と述べている。

また、中國に取っても、燃料の大半が戦略的な難所であるマラッカ海峡を通って来ることの不安が緩和され、また、大気汚染の影響も石炭燃焼から天然ガスを使えば緩和される事が利点である。

今回の中露接近外交は、日本に取ってこの秋行われる、日露首脳会議にどの様な影響を及ぼすのか、見物である。

プーチンはウクライナ問題で、G7が行った、ロシア締め付けに、日本が加わっている事に驚きを見せた。そして、「日本は北方領土解決を本当に、遣る気があるのだろうか」とも言っている。
プーチンは百戦練磨の曲者で、驚きは、ゼスチャーかも知れない、「秋の日露首脳会議は、両国のウイン、ウインの関係で締めくくりたい」とも述べている。

と言うのも、日本に取って、無論北方領土問題の解決もあるが、その他の経済協力問題(シベリア開発)等で、日露友好関係を持ちたいからである。

日露関係は、無限の発展に繋がる要素を抱えて居るだけでなく、アジアに於ける、中国の横暴を抑制する意味合いもあるからだ。
(えびなたろう)


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