青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

続・ベニシジミ物語 20【2007.7.5 雲南百花嶺】

2011-04-03 11:11:13 | チョウ



雲南高黎貢山百花嶺⑩「ヒグラシ」

突然ヒグラシの鳴き声。まだお昼過ぎですが、深い原生林の真っただ中、鳴いていても不思議ではありません。でも、昼間に鳴くヒグラシは、通常、一か所で鳴き続けることはしません。考えられる一つは、鳴きながら広い林内を回遊して、相当の時間が経ってから同じ場所に戻ってくるという可能性。もう一つは、鳴くのを止めて、次の鳴き出しまで近くでずっと待機しているという可能性。これまでの観察によれば、前者の可能性のほうが強いように思われます(前後者の複合様式の可能性もあり)。さっき鳴いていたはずの幹の辺りを隈なく探しても、姿は見当たらない。となると、次に鳴き出すまで待つしかありません。今日のこの後のスケジュールは、終日ヒグラシの録音、と決めました。








↑ギランイヌビワのように花嚢が幹から直接生じるFicusイチジク属(クワ科)の種。確かこの幹のどこかに止まっていたはずです。







↑困ったことに、録音テープ(MD)を一つしか持って来ていない。回しっぱなしだからすぐに足りなくなってしまいます。そこで、往復10㎞余の道を宿舎まで走って、予備のMDを取りに向かうことに。もちろんその間は録音機は回しっぱなしです(たぶん誰も通らないでしょう)。





↑戻って来ました。約1時間の間に、MDには1回鳴き声が入っていました。クワガタ(間違えるとクワガタマニアに怒られそうなので種名はパス)を写したり、、、、





↑Ficusの花嚢を写したりして時間をつぶし、次に鳴くのを待ちます。









↑やがて遠くから鳴き声が聞こえはじめ、それがだんだん大きくなってきたと思う間もなく、突然、目の前の幹に、いや全く魔法のように、ヒグラシの姿が。慌ててシャッターを切ります。数枚シャッターを切ったところで気がつくと、確かに止まっていたはずの場所から、いつの間にか姿を消しています。一瞬の間。まるで手品だとしか思えません。





↑録音だけでなく、形態もチェックしておかねばなりません。しかし捕まえるとなると撮影よりさらに困難、何度も“手品のような到来”チャンスを逃した後、午後6時ジャスト、捕獲成功!

鳴き声や形態の分析については、MDのチェックなどを行った後、改めて報告することにします。

コメント
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