フルートおじさんの八ヶ岳日記

美しい雑木林の四季、人々との交流、いびつなフルートの音

湖水地方へ

2010-07-04 | イギリス旅行

今日でコッツウォルズを離れ、次の湖水地方へ移動する。


そんなことを昨夜から考えていると、朝の4時ごろに一度目が覚めてしまった。窓から外を見ると薄暗い中でもいい天気のようなので、安心してもう少し寝ることにする。
8時30分にタクシーが迎えに来てくれるので、朝食はいつもより30分早い7時30分から用意していただいた。

B&Bの女性オーナー、アニーと話をしていると、彼女は、ドイツのジュッセルドルフ出身だとのことだ。ジュッセルドルフには日本人が多いらしい。出発前に庭を見せてもらった。大きな桜の木があり、バラや美しい花が咲いていた。8時15分にタクシーが来る。毛筆で書いた日本語のメッセージを渡すと、大変喜んでいた。

アニーにお別れの挨拶をして出発する。列車に乗るストラトフォード・アポン・エイボンはシェークスピアの生誕地で有名だ。時間が有れば、見て回りたかったが、残念ながら時間がないので、いつか再訪するであろう次回の宿題に取っておこう。


ストラトフォードアポンエイヴォン駅には早く着いた。日曜の朝なので、ホームには誰もいない。駅員すらいない。駅員は9時30分から仕事を始めますと書いているとりあえず自動販売機でバーミンガム行きの切符を買う。


駅の待ち合い室で待っていると、人が少しずつ増えてきた。列車が着いたので、乗ろうとしても、なぜかドアが開かない。それで、隣で待っている女性の方に聞くと、ボタンを押すのです、とのこと。少し理解できなかったので、見ていると、ドアの右側にオープンというボタンがあり、それを押すとドアが開く仕組みになっていた。わかれば、どうということはない。列車の中はすべてその仕組みになっている。


列車に乗っているとひどく肥えた車掌がやってきて、切符を見せてくださいというので、見せると大きなこえで「Thank you!」との返事。


イギリス第2の都市バーミンガムに到着する。大きな町なので鉄道の駅が3つある。私たちは終点のスノウヒルまで行った。

湖水地方への列車はニューストリートから出ているので、そこまで、重いスーツケースを引っ張って歩く。駅前に大きな公園があり、そこを横切る。


10分ほどでニューストリート駅に着いた。大きな駅だ。まず、ウインダミア行きの切符を買う。ホームは9番線のBだ。その手前で、昼食のサンドイッチを買う。面白いことに、ホームへ降りるまでに、改札口はなかった。切符を買い、それを列車のコンダクターに見せるというシステムなので、改札口は不必要ということのようだ。


列車はバーミンガム駅を時間通り発車した。ところが、途中から、列車が遅れ始めた。おまけに雨が降り始める。マンチェスターやリバプール、ランカスターなど聞き覚えのある駅を通過して、やっと湖水地方への乗換駅、オクセンホルムに着いた。

列車が遅れたために、乗り換えがうまくいかず、1時間待たねばならないことになった。雨はやんだが、すごく寒くなってきた。駅の待合室で温かいコーヒーを飲む。
ようやくウインダミア行きの列車がやってきた。山登りやハイキングの格好をしている人が多い。


20分弱でウインダミアに着く。駅前には巨大なスーパーがあった。インフォメーションへ行きたかったが、わかりにくい。そういうことなら先にアンブルサイドへ行くことにして、路線バスに乗る。乗ること15分でアンブルサイドに着く。


次はB&Bを探さねばならない。アンブルサイドは避暑地であり、観光客であふれかえっている。日本では、白樺湖や上高地といった感じの人出だ。B&Bの場所がわからないのでインフォメーションセンターへ行く。ところがこのインフォメーションセンターの場所が坂の上なので、荷物を持って歩くのに一苦労した。


B&Bの場所を教えてもらって歩き始める。本屋さんから出てきた青年に、道を確認すると、この道でよいとの返事だ。ところが、どうも様子がしっくりこない。山から下りてきた親子3人連れにもう一度聞くと、高校生ぐらいの娘さんが「道を間違っています。」との指摘だ。まったく反対に来ているとのことだ。道理で様子がおかしいはずだ。やれやれ、もう一度来た道を引き返す。重いスーツケースを引きながら地図をもっているからだろうか、香港からきたという女性が、親切に声をかけてくれた。この道でいいですよ、この先を左に曲がるとすぐです、との返事。こうして、ようやくこれから泊まることになるB&Bに到着した。


このあたりの家の壁は、コッツウォルヅとまったく違って、灰色の石がびっしり張っている。案内してくれた女性オーナーは、始終ニコニコしていて、優しそうだ。部屋は、きれいで美しい。外からも出入りできるので、まるで貸し別荘のようだ。バスタブがあり、実に快適な部屋だ。残念だが、インターネットWIHI設備はなく、町の喫茶店へいってくださいとのことだ。


荷物を解いて、夕食を食べに町に出る。ずらっと歩いてみる。小さな町なので、すぐに一周できた。レストランやパブはたくさん有るので安心だ。ただ、夜の営業開始時間が6時や6時30分からなので、待たねばならない。たまたま前を通ったイタリアレストランが5時からやっていたので、入る。

今夜のスペシャルメニューというのがあったので、そこから、私はバジル入りの貝殻パスタ、妻はピッツァにする。ビールはラガーだ。ビールが先に運ばれて来たので、まずは無事、湖水地方に到着したことを祝して乾杯する。空き腹にビールが染み渡る。

妻は、ナイフが切れないので、出されたピッツァを切るのに苦労していた。私のパスタはバジルとチーズの味が効いておいしい。おまけに、サイレンセスターのスーパーで買った極辛タバスコをかけるとパンチが効いた味になって最高だ。