一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『文芸誤報』

2008-12-31 | 乱読日記

実は、この「乱読日記」といういカテゴリーが、年初の時点で131だったので、年末までに200に届かせよう、ということを密かに今年の年初に企てていました。

そういう無理をするとブログ自体が長続きしなくなるのでよくないとは承知なのですが、12月になってどうやら到達しそうになると欲が出てきたのも事実。
ところが本は読了したものの、忘年会シーズンでもあり、また、最後にややこしいものを選んでしまったのでエントリを書くのが年末ギリギリにおしてしまいました。

晴れて大トリを勤めるのは斎藤美奈子『文芸誤報』

本書は週刊朝日に連載した2005年以降の書評をまとめたもの。
369ページと大部なのですが、1冊につき見開き2ページにまとめられていて(ということは150冊分以上あります)気の向いたときに読むことが出来ます。
僕はスポーツジムのトレッドミル(ランニングマシン)でウォーキングするときの暇つぶしに読んでました(切れ目が多いので、汗を拭いたり水分補給したりするのも簡単でおすすめです)。

本書で取り上げられている中で僕が読んだことがあるのが『となり町戦争』『犬身』の2冊だけと、いかに文学と縁遠い生活を送っているかがわかります。

僕は斎藤美奈子の書評・評論は好きです。
読み手としての筋の通し方というか腹の据わり方がしっかりしている感じがしてます。
本書でも自在な切り口で快刀乱麻に料理していて、それが一つのエンタテインメントになっています。

最後に、本書の冒頭にある「文学作品を10倍楽しむ法」の項目を引用して、今年の読書の締めくくりにしたいと思います。

◆小説に教訓を求めるな。
◆小説のテーマを考えるな。
◆登場人物に共感を求めるな。
◆小説に感動を求めるな。
◆純文学と娯楽小説では読むモードを変えよ。
◆お話だけがすべてと思うな。
◆WHATよりHOWに注目せよ。
◆美は「ゆがみ」にこそあると思え。
◆物差しはたくさん持て。
◆困ったときは遠くを見よ。

ブログの書き方にも通じるものがありますね。





今年のエントリはこれで終わりです。
一年間お世話になりました。


来年が皆様にとってよりよい年でありますように!

 


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