一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『国運の分岐点 中小企業改革で再び輝くか、中国の属国になるか』

2020-01-15 | 乱読日記
サブタイトルは出版社側でつけたんだろうが、「中国の・・・」はさておき「中小企業改革で再び輝くか」というのは、ぱっと見「中小企業の復活」という期待を持って本書を手に取った人はがっかりすると思う。

ざっくり言うと

日本の中小企業は「中小企業のままでいること」に税制・制度的に様々なインセンティブがあり、それを放置したままでは日本の労働生産性は上がらない。
したがって、最低賃金を大幅に引き上げるなど生産性の低い企業を淘汰していく必要がある。
同時に賃金が上昇することで消費が増えればGDPも上昇する。

というのが本書の主張。

その通りだと思う。

高度成長期には中小企業の育成は重要だったが、現在では票と資金力(パーティー券購入など)を持っているために政治的な影響力は大きいことから、現在の情勢に合わない制度も温存され、さらには助長されている。
(大企業もそれに乗っかって、過去には、外形標準課税回避のための減資とか、中小企業への融資ノルマ達成のための投資ビークルである有限会社への融資などをやっていたのであまり偉そうなことは言えない。)

とはいえ高齢者と中小企業経営者の票が選挙を左右する現状をどうやって変えるか。

★3.5


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