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一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『日本軍兵士―アジア・太平洋戦争の現実』

2018-12-30 | 乱読日記
兵隊、特に現場の一兵卒にはコストをかけない、という意識は、現在の非正規労働や外国人技能実習制度についての議論につながるものがあるのではないかと感じた。

戦争末期になってくると、徴兵制度を維持するために合格のハードルを下げ、体力に劣る新兵を送り出すようになる。ろくな訓練もされない新兵は現地で古参兵のストレス発散の対象にされ、不十分な装備・栄養状態・医療体制のなかで無駄死にしていくさまが、史料に基づいて描かれている。

現代から見れば、まともに戦争を遂行できる人員・物資体制ではなくなっているにもかかわらず、戦争継続のためだけに人を送り続けていたことに戦慄を覚える。

そのような現場、またはそうなる可能性の高い現場は、今もあるのかもしれない。

★4


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