「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「ユナイテッド93」(2)

2006年09月12日 22時14分08秒 | 映画
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/39932669.html からの続き)

 ユナイテッド93便の 乗客にとって、不幸中のせめてもの 幸いだったのは、

 地上の家族との電話で、貿易センターとペンタゴンの テロ事件を知ったことでしょう。

 自分たちにも 同じ運命が待っている、どのみち 自分たちは死ぬ、

 それならば、さらに多くの犠牲者を出さないため、

 テロリストたちと 相まみえよう。

 同時テロの事実を知らずに、単なるハイジャック事件と 思っていたら、

 乗客も 犯人のなすがままに されていたことでしょう。

 誰からともなく 犯人襲撃の話が出て、乗客たちは 覚悟を決めていきます。

 この場面だけは、遺族の証言や 残された音声を元にした 想像の話です。

 対決に反対する乗客がいたり、もっと葛藤があっても 良かったのではないか

 という気もするのですが、極限状態の人間の真情を、

 過剰な演出を抜きに 描いているのかもしれません。

 それにして もテロリストたちは、

 英語も話せないため 乗客に命令することもできず、

 乗客に携帯電話を使わせたり、乗客同士が相談することを 見逃したり、

 あれだけの 大事件の実行犯としては お粗末にも思われます。

 犯人たちも 神に祈りながら、必死に任務を 果たそうとしますが、

 乗客たちも 文字通り命懸けでした。

 ラストシーンの終わり方も 見事だったと思います。
 
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/40005565.html 
 
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「ユナイテッド93」(1)

2006年09月11日 22時44分26秒 | 映画
 
 今日は、あの 9・11同時多発テロ事件から ちょうど5年目。

(9・11は 心子が亡くなったのと同じ年でした。)

 ハイジャックされた ユナイテッド93便の 実話を元にした映画の感想です。

 乗客たちが犯人と闘って、目的地に到達する前に 郊外に墜落した旅客機です。

 これほど全編に渡って、手に汗を握り続けた映画は 初めてです。

 「ロード・オブ・ザ・リング」なども 息付く間もありませんが、

 作られすぎた映像を観た疲労感とは 全く別のものです。

 ドキュメント風な画面構成で、作劇的な演出は一切ありません。

 異常事態に混乱する人々の、単発的なセリフや叫びで 話は展開していきます。

 観る前は、テロリストに立ち向かう 一般人たちの、

 家族への愛のメッセージを残した、感動的な話仕立てかと 思っていました。

 しかし ここには 主人公もヒーローも存在せず、

 犯人さえも 生の一人の人間として 描かれています。

 ファーストシーンは、コーランを読み 祈りを捧げながら

 テロの準備をする、犯人の映像から始まります。

 普通の映画なら、旅立ちに胸をはずませる家族や、ハネムーンの幸せなカップル,

 海外へ赴くビジネスマンなどの 描写から始まるところでしょう。

 テロリストたちは終始 不安を抱えて緊張している、ただの人間です。

 すぐあとに 同じ飛行機に乗ることになる 乗客たちと、

 待合ロビーの椅子に 隣り合わせで座っています。

 スタッフの専門用語が飛び交う 管制塔では、

 ワールド・トレード・センターに 激突することになる2機の 消息が断たれます。

 そんななか、ユナイテッド93便は 飛び立っていきます。

 これから起こる 大惨事を知っている我々は、

 不安をそそる かすかなバックミュージックとともに、緊張が高まっていきます。

 行方不明機の情報は錯綜し、管制センターでも 防空指令センターでも

 事実がつかめません。

 そして CNNのニュース映像で、煙を吹き上げる 貿易センタービルの、

 信じられない現実を 目の当たりにすることになるのです。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/39971778.html  
 
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「二人だと 氷の減りが早いね」

2006年09月10日 10時14分47秒 | 心子、もろもろ
 
 今日は数日ぶりに、僕には “嬉しい” 残暑です。 (^^;)

 夏は 連日そうめんを食べたり、ジュースや、

 寝酒にチュウハイを 飲んだりしていると、

 冷凍庫の氷が どんどん減っていきます。

 氷を切らさないように 気を遣っている僕ですが、

 心子と部屋で過ごしていたときの 夏の日のできごとがあります。

 冷凍庫を開けながら 僕が言いました。

「二人だと 氷の減りが早いね」

 切らさないように作らなければ と思っただけでしたが、

 途端に 彼女の態度が変わりました。

「そんなこと言われたら、この部屋では 氷を使うなってことだと 誰でも思う」

 彼女にそう言われると、

 本当に 誰でもそう思うだろうか と感じてしまったものでした。

 でも ボーダーの人の認識は、客観的なそれとの間に ずれがあるわけです。

 そのことを良くわきまえて、ボーダーの人の言動に

 惑わされないように しなくてはなりません。

 それが ボーダーの人と接するときに 留意しなければいけない ことのひとつです。

 自分の常識的な感覚を 見失わないことが大切ですね。
 
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夏は暑くなくっちゃ( ^^;)

2006年09月06日 21時03分45秒 | Weblog
 
 夏は暑くなくっちゃ、というσ( ^^;)です。

 今年の夏は 梅雨明けも8月にずれ込み、

 夏らしい酷暑の日が ほとんどなかった というのがσ (^^;)の印象です。

 もう夏も終わりで、もったいない気持ちです。

 ところが僕の周りでは、今年の夏は暑かった という人も少なくなく、

 平均気温は 例年よりわずかに高かったと ニュースでも言っていたのですが……。

 ただし、連続した真夏日がなかった とも言っていました。

 僕は今年は 部屋のクーラーも使わず、

 冷蔵庫の氷が 底をつくこともありませんでした。

 皆さんは いかがだったでしょうか? 
 

 僕は きんきんに冷やしたそうめんを

 うだる暑さの中ですするのが、夏の大好物。( ^^;)

 今年は その機会が少なくて残念でした。

 僕は夏は 毎日そうめんでも飽きません。

 それも具を入れたりはせず、文字通り「素麺」。

 そばやラーメンだと 僕は色々な具を たっぷり入れるのですが、

 そうめんだけは 冷たさだけでストレートに味わいます。

(薬味は生姜か唐辛子)

 なごりの夏、そうめんを多めにゆでて、氷をたっぷり入れて 満悦します。( ^^)

 老後は 沖縄にでも住みたいと思っている σ (^^;)でした。
 
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新風舎 「クリエーターズ・ワールド」 終了予告

2006年09月05日 22時47分21秒 | 「境界に生きた心子」
 
 拙著 「境界に生きた心子」 の出版社・新風舎では、

 著書のPRのためと、著者と読者をつなげる目的で、

 「クリエーターズ・ワールド」という 著書ごとのホームページを制作しています。

 僕も 拙著が刊行されてから クリエーターズ・ワールドの契約をし、

 拙著の紹介を掲載したり、日記を 毎日アップしてきました。

 半年ごとに 契約が更新されますが、

 明日9月9日をもって ひとまず終了することにしました。

 契約料が結構お高くて、その割に制約があったり、成果がかんばしくなかったりで……。

 クリエーターズ・ワールドの日記は 1日400字までの制限があり、

 カテゴリーの分類がなく、訪問者のコメントも付けられません。

 検索エンジンにもつながっておらず、

 無料でできるブログの方が アクセス数がずっと多いんです。(・_・;)

 そんなこんなで、こちらのブログ専門で やっていくことにしました。
 

 でもクリエーターズ・ワールドには、こちらのブログにはない、

 専門家によるレビューや、100人の読者の感想,

 オープニングムービー, プロフィール,Q&Aなどがあります。

 掲載期間があとわずかですが、どうかご覧になってみてください。

http://www.creatorsworld.net/shinko/flash
 

 1年半の間、クリエーターズ・ワールドを通じて 読者からメールをいただいたり、

 つながりもできて ありがたいことでした。

 ボーダー本人の方や 家族の方たちからのお便りでは、

 拙著によって救われた,癒されたという声もいくつもあり、

 拙著を書いて 本当に良かったと思いました。

 また、ずっと交流のなかった 高校の同級生などが

 クリエーターズ・ワールドを通して 連絡をくれ、

 以後 メールのやり取りをしている ケースもあります。

 色々と お世話になりました。

 これからもこちらのブログで よろしくお願いいたします。
 
 
〔追伸〕↓ 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/40395771.html
 
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高円寺・阿波踊り

2006年09月04日 22時21分47秒 | Weblog
 
 高円寺の夏は、毎年恒例の 阿波踊り大会が開かれます。

 西の徳島、東の高円寺と言われるほど 名実とも盛大な祭りで、

 今年は50周年を迎えました。

 家のすぐ近くなので 僕はほぼ毎年 見に行っています。

 今年も 友達と一緒に楽しみました。

 活気溢れるダイナミックなリズム、繊細な技の冴え、愛嬌、しなやかさなど、

 一度見ると その魅力に取りつかれます。

 阿波踊りは 日本が世界に誇れるものだと思います。

 今年は50周年の催しのためか、

 琉球の力強い太鼓と 山形の花笠音頭の団体も 参加していました。

 心身障害者の「連」(団体)もあって、目を開かれる思いでした。

 7千人の踊り手と 120万人の観客を 動員したこの祭りも、

 第1回目は 参加者38名、観客は2千人だったといいます。

 しかも、本当の阿波踊りを知っている人はおらず、

 見よう見まねの 「ばか踊り」 としてスタートしたそうです。

 その後、本場の徳島に“留学”したり、年々名実とも発展して、

 現在の隆盛を誇っています。
 

 高円寺の阿波踊りは、心子とも見物したものです。

 彼女が亡くなる前の年の夏も 一緒に行く約束をしていましたが、

 その直前に 心子とトラブルがあって 連絡が途絶えてしまいました。

 そして 阿波踊り当日、彼女は道で目まいを起こして倒れ、

 重症の捻挫で入院したという 知らせが舞い込みました。

 病院へ見舞いに行くと、

「マー君と 阿波踊り見に行ってたら、こんなことにならなかった……」

 と言っていた彼女でした。

 結局、心子とは1回だけしか 阿波踊り見物は できませんでしたが、

 今は彼女は 見晴らしのよい高い所から、踊りを堪能していることでしょう。
 
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境界性人格障害の治療(3)

2006年09月03日 21時56分46秒 | ボーダーに関して
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/39580737.html からの続き)

 治療の成績は 重症や軽症のケースでまちまちでしょうが、

 色々な文献があるようです。

 ボーダーの人は 治療を継続していくこと自体が難しく、

 治癒の率は 必ずしも高くないとも言われます。

 何が「治癒」かというのは 実は単純ではないのですが、

 アメリカでは 治療を始めて治癒にまで至るのが 1割程度というデータがあります。

 他方、10年で 3分の2から4分の3が 社会適応していく という数字もあります。

 人格障害とは 性格の極度な偏りですが、性格は年を取れば丸くなる というように、

 ボーダーの人も 年齢を重ねるにつれて 次第に落ち着いていくと言われます。

 ただし、「途中で自殺しなければ」 という のっぴきならない前提が付くのですが、

 そこを切り抜ければ 再びやりなおしていくことができます。

 時間がかかっても、自分の感情に戸惑いながらも、

 40歳くらいを過ぎれば、自然治癒を含めて

 ゆっくりと安定していくことが 多いのだといいます。

 それを信じて、ぜひとも将来に 希望をつなげていきたいものです。

 共に 生き合う日を求めて……。
 
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境界性人格障害の治療(2)

2006年09月02日 20時48分58秒 | ボーダーに関して
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/38603280.html からの続き)

 臨床の治療現場は手探りで、悪戦苦闘の累積だといいます。

 ボーダーの人は 相手を見透かす目にたけ、感受性もさといので、

 治療者の一挙手一投足も 手加減なく突いてきます。

 治療者を 完璧な救世主としてあがめたり、

 一転して 最低の無能者だとおとしめたりします。

 猛烈な情動や依存で 治療者を翻弄し、その巧妙さは 見事なまでのものがあります。

 もちろん当人は 全く無意識の行ないですが、

 専門家の治療者でも 感情的になって 巻き込まれてしまったりします。

 患者は 治療者を信頼すると 診察時間を切りなく延ばしたり、

 時間外にも 会うことを懇願したり、要求が どんどんエスカレートしていきます。

 それに堪えかねて 治療者のほうが 燃え尽きてしまうこともままあり、

 自殺してしまった例もあるそうです。

 治療者が ボーダーの人の不思議な魅力に捕われ、

 治療に入れ込んで 自滅してしまうこともあります。

 ボーダーの治療には 苦労をしいられ、

 それに比べて 目ざましい効果が期待できないため、

 ボーダーの患者を 受け持つことを敬遠する 治療者もいるといいます。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/39618516.html
 
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ダイアナ元妃の命日

2006年09月01日 08時29分29秒 | ボーダーに関して
 
 昨日8月31日は、ダイアナ元妃の 9回目の命日でした。

 彼女もボーダーだった と言われています。

 出生から複雑な家庭環境で、愛情には恵まれなかったそうです。

 プリンセスとしての華やかさの陰で 過食嘔吐に悩まされ、

 リストカットや自殺未遂も 繰り返したようです。

 数人の男性と交際し、相手を理想化しては、

 それを奪われる不安に 苛まれたといいます。

 一方で 精力的に慈善活動を行ない、

 恵まれない人々に 優しさを向けていました。

 ボーダーの人は 自分自身が苦しみを知っているので、

 人の苦しみに 深く共感できるのです。

 そして、最期は 破滅的な事故で落命しました。

 陰謀説も かまびすしく語られ、いまだ謎は未解明です。

(ちなみに心子も ダイアナ元妃と同じく 享年36才で、

 数々の謎を 残して逝きました。)

 でも ダイアナ元妃は その障害を力にして、

 苦境にある人々を救いました。

 そして 世界から愛される存在になり、

 ボーダーの人に 希望を与えたと言えるでしょう。

 心子も 少しは、人々の心に残ることができたでしょうか? 
 
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