「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

厳罰化  教育は手薄に -- 明日の課題 (11)

2011年01月30日 19時04分04秒 | 罪,裁き,償い
 
 89年の宮崎勤による児童連続殺害事件、 95年の地下鉄サリン事件など、

 社会を揺るがす事件が続き、 00年ごろから 厳罰化の傾向が顕著になりました。

 理不尽な凶悪犯罪の増加と、 被害者の権利を 重視する動きが 背景にあります。

 05年には、 有期刑の上限を 20年から30年に引き上げる

 改正刑法が施行されました。

 その影響もあり、 受刑者の服役期間は延び、

 刑務所の収容率も 00年に100%を超えました。

 刑務官一人で 70人を監視することが 普通になり、

 受刑者一人一人に 更生を促す余裕はなくなりました。

 05年には 監獄法が改正され、

 被害者感情を理解させるなどの 教育が導入されました。

 しかし、 長期刑の刑務所では 過剰収容が続き、

 充分な教育は 行なわれにくいのが現状です。

 連続強姦事件で 服役している男 (30) は 訴えます。

 「作業ばかりで 教育が受けられない。

 反省のない人が そのまま出所している」

「長い刑になったことで、 根本から変わろうという 気持ちになれた。

 こんな自分でも 被害者の苦しみが 書かれた本に 心を動かされた。

 国は、 長期刑を利用して、 矯正の試みをし続けてほしい」
 

 裁判員制度では、 裁判員は6割が 被告の更生を思い起こすといいます。

 それを踏まえた 犯罪者処遇の改革も必要です。

 ある教誨師は語っています。

 「更生は簡単ではない。

 100人に会う中で、 真剣に向き合ってくれる人が 1人でもいればいい。

 その積み重ねしかありません」
 


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