89年の宮崎勤による児童連続殺害事件、 95年の地下鉄サリン事件など、
社会を揺るがす事件が続き、 00年ごろから 厳罰化の傾向が顕著になりました。
理不尽な凶悪犯罪の増加と、 被害者の権利を 重視する動きが 背景にあります。
05年には、 有期刑の上限を 20年から30年に引き上げる
改正刑法が施行されました。
その影響もあり、 受刑者の服役期間は延び、
刑務所の収容率も 00年に100%を超えました。
刑務官一人で 70人を監視することが 普通になり、
受刑者一人一人に 更生を促す余裕はなくなりました。
05年には 監獄法が改正され、
被害者感情を理解させるなどの 教育が導入されました。
しかし、 長期刑の刑務所では 過剰収容が続き、
充分な教育は 行なわれにくいのが現状です。
連続強姦事件で 服役している男 (30) は 訴えます。
「作業ばかりで 教育が受けられない。
反省のない人が そのまま出所している」
「長い刑になったことで、 根本から変わろうという 気持ちになれた。
こんな自分でも 被害者の苦しみが 書かれた本に 心を動かされた。
国は、 長期刑を利用して、 矯正の試みをし続けてほしい」
裁判員制度では、 裁判員は6割が 被告の更生を思い起こすといいます。
それを踏まえた 犯罪者処遇の改革も必要です。
ある教誨師は語っています。
「更生は簡単ではない。
100人に会う中で、 真剣に向き合ってくれる人が 1人でもいればいい。
その積み重ねしかありません」
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