「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

被害者の苦悩と向き合う (2) -- 矯正の現場 (12)

2012年01月13日 21時13分46秒 | 罪,裁き,償い
 
(前の記事からの続き)

 各地の少年院で、 少年に 被害者の心情を考えさせる 取り組みが広がっています。

 犯罪被害者を講師に招いて 体験談を語ってもらうほか、

 被害者の手記を読ませて 感想文を書かせたり、

 被害者の立場に立って、 加害者である自分あての 手紙を書かせたりするのです。

 多くの少年は、 何とかしないと 今後の人生もだめになると 焦っています。

 被害者の視点は、

 心の底にある 更生したいという気持ちに気付く きっかけになりやすいといいます。

 少年らによるリンチで、 15歳の長男の命を奪われた T子さん (55) は、

 少年院を訪ねて 被害者遺族の気持ちを伝えています。

 我が子を失った悲しみ、 同じ思いをする人を 増やしたくないという思い。

 聞いていて 涙を流す少年もいます。

 長男は生前、 非行に走った時期もあったが 立ち直った、 ということも必ず明かし、

 「あなたたちもやり直せる」 と 語りかけます。

 Tさんに、 少年院から 少年たちの手紙が届きました。

 〈自分の事件の被害者も、 Tさんと同じ思いなのかなと 思いました〉

 〈何とか再犯しないよう 頑張りたい〉

 Tさんは、  「この子たちは更生できるかもしれない」 と 感じます。

 加害者の元少年は、

 「社会に出た後も、 被害者の気持ちを ずっと考えていくのが、

 僕の責任だと思っています」 と 話しました。

 その言葉を聞いた 被害者の妻は言いました。

 「すごく嬉しいです。

 でも、 少年院を出てからが 本番だと思っています。

 だから、 今はまだ 私の心は動きません」

〔読売新聞より〕
 


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