「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

交通刑務所は 「開放的」 -- 矯正の現場 (6)

2012年01月04日 20時05分59秒 | 罪,裁き,償い
 
 交通犯罪の刑務所は、 分厚いコンクリートの壁はなく 大人の背丈ほどの金網で、

 鉄格子もありません。

 家族との屋外面会所は 木立に囲まれ、 オープンカフェのようです。

 一般の刑務所より 規則が緩い、  「開放的処遇」 が行われています。

 快適そうな環境で、 被害者や遺族の苦しみを 考えることができるのか、

 ある遺族は疑問をぬぐえません。

 受刑者は刑務作業以外に、 交通安全や断酒の 指導を受けます。

 「開放寮」 では、 寮生活のルールを決める 寮委員が選出され、

 視聴するテレビ番組も 受刑者自身が決めるのです。

 自分の責任で行動するのは 逆に辛い、 と言う受刑者もいます。

 そういう人も トラブルなく刑期を終えると、

 自信を持って 社会に戻れるというのが、 開放的処遇の意義だといわれます。

 一方、 事故とはいえ、 他人の命を奪った人への 処遇としては甘い、

 という意見もあります。

 出所後の心構えの講義でも、 脇見やあくびをする姿が 目に付きました。

 犯罪を犯したという 認識に欠けた人が 多いことも否めません。

 制限速度を70キロも超えて 対向車と正面衝突し、 相手の命を絶った加害者は、

 「被害者に恥ずかしくない 日々を送ろう」 と 決心して入所しました。

 枕元には 被害者のお墓の写真を 置いていますが、

 厳しく注意されることのない 日々を、 楽に感じてしまうことも あると言います。

 交通刑務所には 被害者を供養する 「つぐないの碑」 があり、

 「あやまちを反省し、 社会人として立ち直ることを 誓います」

 と刻み込まれています。

 出所前に受刑者は、 この文章を大きな声で 読み上げるのが習慣です。

〔 読売新聞より 〕
 


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