「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

面接委員 出直し後押し (2) -- 矯正の現場 (15)

2012年01月18日 18時52分45秒 | 罪,裁き,償い
 
(前の記事からの続き)

 刑務官を退官後、 篤志面接委員を務めてきたHさん (68) は、

 数年前に面接した 10人の受刑者のことが 忘れられません。

 10人は全員、 刑務作業を拒否し、 独房から出てきません。

 「作業拒否で 仮釈放がなくなっても構わない。

 どうせ出所しても 仕事はない。

 犯罪する以外に ないじゃないか」

 作業拒否で 懲罰を受けた受刑者は 年々増加しているといいます。

 ボランティアで 受刑者の更生を手助けする 篤志面接委員は、 現在約1800人。

 60才以上の人が 7割以上を占めます。

 リタイアした人でないと 平日の活動は難しく、

 若い受刑者に見合った年齢の 面接委員の確保は進みません。

 Kさんは、

 「今後も受刑者の思いを 素直に受け止め、 共感していきたい」 と 語りますが、

 「反省が深まらない 受刑者が増えている」 とも 感じています。

 「立ち直りたいという 出所者の思いに 手を貸す人が、 社会の中で少ない」

 とも思います。

 「このままでは 再犯が繰り返され、

 いずれ刑務所は 立ち行かなくなるのではないか」

 そんな気がしてならない と言います。

〔 読売新聞より 〕
 


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