「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「意欲低下」  初期のサイン (1) -- 認知症、 明日へ

2012年07月20日 20時06分41秒 | 介護帳
 
 認知症の症状では、 物忘れや徘徊などが よく知られていますが、

 むしろ初期には 意欲の低下や、 不安感が強くなることが 多くの人に見られます。

 こうした 見落とされがちな初期症状に、 周囲が気付くことが大切です。

 意欲低下は、 初期の脳血管性認知症では約70%,

 アルツハイマー型認知症など他のタイプでも 50%以上の人に見られます。

 放っておくと、 動かないため体力が低下し、

 ますます意欲を失って 悪巡回に陥り、 認知症が重度化しやすくなります。

 一方、 早い段階から デイサービスを利用するなどして、

 活動性を上げれば、 症状が改善することも多くあります。

 ある男性 (87才) は、 退職後も 地域活動に取り組んでいましたが、

 家でゴロゴロするようになり、

 服の前後やボタンがけを 間違えたりするようになりました。

 物忘れも見られ、 脳血管性認知症と診断されます。

 家族に促され、 デイサービスで 絵を描いたり習字をしたりして 過ごすように。

 通わない日も、 妻が買い物や展覧会に連れ出して 生活のリズムを作ったことで、

 表情も豊かになり、 自分で着替えられるようになりました。

 別の女性 (76才) は、 不安感が強く表れました。

 夫が転倒して入院すると、 今後の生活を心配する言葉を 繰り返しました。

 気丈な性格だったのに、 夫と離れているのも不安で、

 1日2回 病院に通うこともありました。

 そのうち 何日も入浴しなくなったり、 料理を間違えたりするように。

 アルツハイマー型認知症と診断され、

 長男の妻は、  「まさか認知症の症状だったとは」  と話します。

〔読売新聞より〕

(次の記事に続く)