「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

仕事、 家族失う働き盛り -- 認知症 長寿国の現実 (4)

2012年07月06日 20時49分21秒 | 介護帳
 
 57才の料理人の男性は、 51才のとき 念願の自分の店を開きました。

 が、 その直後に やる気が失せ、 疲れも取れなくなり、 うつ病を疑いました。

 54才で 若年性アルツハイマーと診断されます。

 店をたたみ、 妻が働いて 家計を支えました。

 けれども、 疲れ切って追い詰められた 妻の求めで離婚。

 現在は生活保護を受けながら、 ボランティアとして 料理の腕を振るっています。

 でも最近は 料理の段取りを考えるのが 難しくなってきました。

 65才未満で発症する  「若年性認知症」 は、 全国で約3万8000人。

 働き盛りの発症例が増えています。

 認知症本人だけでなく、  「介護離職」 という形で 仕事を失う現役世代もいます。

 介護休養の制度も、 実際には 利用するのに気が引けたり、

 会社の協力にも限度があるのが 現実です。

 やむなく解雇された人は、

 世間から置き去りにされ、 価値のない人間になったような 気がするといいます。

 介護・ 看護が理由の退職者は、 2006年からの1年間で 約15万人。

 02年の1.5倍に増えており、 多くは40~50才代です。

 認知症が 現役世代に与える 影響は大きく、

 仕事, 子育て, 住宅ローン, 老親の介護など、

 現役には 高齢世代と異なる問題があります。

 しかし支援が乏しく、 家庭崩壊なども起きているのが 現実です。

 国が 6月に打ち出した新対策には、

 就労継続など 若年性認知症への支援がうたわれています。

〔読売新聞より〕