「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

非承認的環境

2011年09月15日 22時18分57秒 | 「BPDサバイバル・ガイド」より
 
 「非承認」 とは、

 子供の感情や考えを 認めない, 理解しない, 事実ではないと伝えることです。

 非承認的環境にいると、

 気が動転したときに 叱られたり、 非難されたり、 無視されたりします。

 その子の情動性と、 幼児期の非承認的環境とが 組み合わさって、

 多くのBPDの問題を 引き起こします。

 非承認的環境で育つと、

 自分の感情を表現できなくなり、 自分の感情を恐れてしまうそうです。

 親から、 「そんなことで泣かないの!」 などと 言われ続ければ、

 自分の感情がおかしいのではないかと 悩み始めることもあります。

 人間は、 自分の考え方や感じ方と よく似た反応を得ることで、

 落ち着き、 物事の筋が通っている 気持ちになれます。

 反対に、 自分の経験と一致しない 反応が返ってくると、

 気持ちが揺らぎ 混乱します。

 自分の感情を非承認にすると、

 感情はより強くなって コントロールできなくなります。

 例えば、 悲しい気持ちを否定されると、

 口論になったり、 悲しみをもっと強く 表現するかもしれません。

 逆に、 自分の悲しみを 押し殺してしまうかもしれません。

 BPDの人は 感情を爆発させたり、 押し殺したりする間を 行き来します。

 これは、 頻繁に感情を 非承認された結果なのです。

 非承認的環境下では、 感情の扱い方を 覚えるのは不可能です。

 過剰に感情表現するか、 自責の念に陥って 自分に罰を与えます。

 そうすることで 見捨てられないようにするのです。

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕