「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

境界性パーソナリティ障害と脳

2011年09月13日 21時45分55秒 | 「BPDサバイバル・ガイド」より
 
 脳の違いは 遺伝子に関わる可能性があります。

 また脳は、 胎児期, 幼少時期 あるいはその後の、

 ストレス, 薬物などの影響を受けます。

 BPDに関する 脳の部分には、

 辺縁系(へんえんけい) や 前頭前皮質(ぜんとうぜんひしつ)、

 視床下部(ししょうかぶ) -下垂体(かすいたい) -副腎軸(ふくじんじく)

 などがあります。

 まず、 辺縁系は、 感情, 記憶, 快楽を処理する部分で、

 扁桃体(へんとうたい) と 海馬(かいば) があります。

 扁桃体は基本的に 感情面での中枢で、 海馬は学習や記憶に 関係しています。

 BPDの人の扁桃体は 通常より小さいようで、

 特定部分が 感情的な刺激に過剰反応します。

 また、 海馬も小さい傾向があるという 研究結果があります。

 PTSDの人の海馬も 小さいと言われますが、

 扁桃体と海馬の 両方が小さいのは、 BPDの人だけです。

 次に 前頭前皮質は、 小さいけれど複雑で、 様々な機能と関連しています。

 行動をコントロールし、 合理的な決断を下し、

 感情を取り扱うという役割もあります。

 前頭前皮質内の活性は、 脳中枢の感情面の活性を 抑制しています。

 BPDの人が ストレスを受けると、

 前頭前皮質の特定部分で 活性が低下することが分かりました。

 その結果、 扁桃体の活性を 抑えられなくなる可能性があり、

 感情をコントロールできなくなることがあるのです。


 視床下部 -下垂体 -副腎軸 (HPAaxis) は、

 BPDと関係する もうひとつの部位です。

 過剰に活発な HPAaxisは、

 ストレス反応が 非常に活発であることを示しており、

 自殺企図を起こしやすくなるという 調査もあります。

 また、 衝撃的なでき事によって、

 HPAaxisの活動過剰の 可能性が高まることもあります。

 それは、 ストレスに対する身体反応なのです。

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕
 
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