「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

俗説2 「BPDの人は暴力的で、 他人を傷つける 危険性が高い」

2011年09月02日 19時57分31秒 | 「BPDサバイバル・ガイド」より
 
 テレビで 描写されたこともありますが、 これも間違っています。

 概してBPDの人は、 人を傷つける可能性は 低いのです。

 その上、 他人を傷つけなくて済むなら どんな苦労も惜しみません。

 自分を犠牲にしてでも 他の人の機嫌を取ります。

 ひとりぼっちになるのが怖くて、 人間関係を保つことに必死です。

 BPDの人は 他人を傷つけるよりも、

 自分自身を傷つける場合が はるかに多いのです。

 怒りを外に向けるのではなく、 内にためこむ傾向にあると 認知されています。

 BPDと 反社会性パーソナリティ障害 (ASPD) を区別する

 ひとつの方法として、

 怒りや危害を 内側に向けるか、外側に向けるかの 程度があります。

 BPDの人の多くは、 怒りの表現を恐れ、

 いかなる犠牲をはかっても 怒りの表現を避けようとします。

 虐待や過酷な経験を じかにを受けることで、

 何らかの怒り または攻撃性に対して 我慢できなくなり、

 決して 他人に危害を 加えないようになる人もいます。

 攻撃性を避けるために、 自分の全ての怒りを 中にしまい込んでしまうのです。

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕
 

 心子の攻撃は 外にも内にも向かいました。

 内に向かうときは 激しい自己嫌悪、 外に向かうときは 猛烈な言葉によってです。

 外に対して 肉体的な暴力はありませんでした。

 ただ1回だけ 腕を振るったことがありましたが、

 僕はすんでのところで かわしました。

 心子は 僕がよけられるように、

 わざと 大きく腕を振り回して 殴りかかったように思えます。