「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「生死命(いのち)の処方箋」  これまでのあらすじ

2010年11月13日 21時51分51秒 | 「生死命(いのち)の処方箋」
 
(http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/61213313.html  からの続き)

 佐伯美和子 (28才・ 東央大学病院 消化器内科医)は、

 弟の淳一 (18才・ クリグラー=ナジャール症候群) を 救うために医者になった。

 淳一は現在、 光線療法や血液交換の 治療を受けているが、

 いつ 意識障害を起こして亡くなるか 分からない状況である。

 助かるには 脳死者からの肝臓移植が必要だが、 淳一は死を受容している。

 美和子の恋人・ 世良康彦 (33才・ ジャーナリスト) は、

 脳死移植を啓発するため 美和子に付いて 取材を始める。


 東央大病院に運び込まれた患者が 脳死に陥ったが、 淳一は臓器提供を望まない。

 望みを捨てない美和子だが、 患者の肝機能が落ちてきて、 移植はできなくなる。

 一方、 糖尿病性腎症の患者・ 平島多佳子 (17才) に、

 膵腎同時移植が行なわれることになる。

 消化器外科医・ 緒方の 見事な執刀で、 多佳子の手術は成功する。

 手術をきっかけに、 淳一と多佳子は 互いに好意を抱いていく。

 移植によって症状が改善し 喜ぶ多佳子だが、

 その陰には、 臓器を提供した 患者遺族の悲劇があった。


 淳一がついに 意識障害を起こし、 緊急処置が施される。

 多佳子も 拒絶反応を起こして、 膵臓を取り出さなければならなくなってしまう。

 せっかくもらった膵臓を 大切に抱えたまま死にたい という多佳子。

 淳一は 多佳子に生きてほしいと 涙で訴え、 摘出手術は行なわれる。

 決して一筋縄ではいかない 脳死・移植の難しさ、 世良はそれが分かってくる。

 美和子は移植推進のために、 マイナス面は あまり報道しないでほしいと 世良に依願するが、

 世良はジャーナリストとして 真実の裏も表も伝えるのが 使命だと考える。

 二人の間に 溝が生じ始める。

(次の記事に続く)
 
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