「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

獄中からの手紙

2009年06月29日 21時34分45秒 | 死刑制度と癒し
 
 読売新聞の連載 「死刑」 に、 服役中の無期懲役囚や、

 死刑判決を受けて 上告中の被告から 手紙が送られてきたそうです。

 改めて 自分の罪と向き合う きっかけになったといいます。

「 人を殺してしまったとは どういうことなのかを、 考え直そうとしている 」

 宮城刑務所の長岡義宏受刑者 (50) からの 手紙にそうありました。

「 連載で取り上げられている死刑囚は 自分の姿でもあったのではないか 」

「 連載を読み、 改めて 『自分は殺人犯』 なのだという 自覚を新たにした 」


 梶原利行受刑者 (65) は、

「 犯人が 反省していようがいまいが、 気持ちに変化はない 」

 という 被害者の父親の心境を 記事で読み、

 事件から 30年近く経った今も 変わらぬ遺族の悲しみを 知りました。

「 被害者の悲しみや怒りは もっとものことです。

 事件について 改めて考える 時間を頂きました 」

 刑務所の運動場に咲く 桜を見て、 心を動かされたといいます。

「 春になると、 何があっても 花を咲かす草花に、

 本当に 頭が下がる思いです。

 外にいた時に、 今の気持ちが 少しでもあったらと 悔やんでいます 」


「 死刑か無期か、 究極の選択をする 裁判官の苦悩を知りました 」

 複数の命を奪った 60代の被告は、 そんな感想を寄せました。

 二審の判決日が 被害者の命日に指定され、

「 裁判官の心は 最初から被害者側にあったのではないか 」 と感じ、

 判決公判を欠席しました。

「 裁判官の顔を見たくない と思う前に、

 命日を判決日に 選んだ下さった、

 心から 遺族にお詫びできる 最後の機会を与えてくださった、

 と受け取っていたら……。

 自分の狭い心が 悲しくてなりません 」

「 大きな後悔をしている 」 とも書かれていました。

「 人様を何人も 殺した自分は、 死刑以外にないと思っています。

 でも、 生きて外に出て やりたいこともあります。

( 刑が確定していない自分は )

 まだ、 どこかで 甘えているんだと思います 」

〔 読売新聞より 〕