「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

韓国 執行停止11年半 -- 償いの意味 (9)

2009年06月24日 21時06分32秒 | 死刑制度と癒し
 
 2007年1月、 姜 (カン) 被告 (39才) は、

 女性を拉致、 乱暴したうえ 絞殺しました。

 遺体は2年間、 河川敷に埋められたままでした。

 姜被告は 他にも7人の女性を 殺害したことを自供しました。

 朝鮮日報は、 「 いかなる方法を用いてでも、

 犯人を社会から 永久に追放すべきではないか 」と、

 死刑執行に問題提起をしました。

 今年2月の世論調査でも、 死刑執行に賛成は 64%でした。

 韓国では 刑場の中央に 椅子が置かれ、

 死刑囚は座ったまま 首にロープをかけられます。

 椅子の下の床が開き、 死刑囚は地下に向かって 落下します。

 韓国は 金大中氏が1998年に 大統領に就任して以来、

 死刑は執行されていません。

 「光州事件」 (80年) で 死刑判決を受けた金氏は、

 その経験から 死刑反対派でした。

 柳・ 前国会議員 (60) は 74年に政治犯として 死刑判決を受けました。

「 寝るときも手錠をかけられる 不自由な生活を強制された 」

 その後、 無期懲役に減刑され、 政権が変わると 釈放されました。

 でっち上げの容疑で、 死刑が確定すると すぐに執行される者もいます。

 そうした過去が、 死刑に慎重な態度に つながっているといいます。

 昨年就任した 李明博大統領は、 死刑を支持する 立場を示しており、

 いつでも執行を再開できる 状況にあります。

 元裁判官は 疑問を投げかけます。

「 今のままでは、 死刑の執行が 時の政権によって 左右されてしまう。

 死刑制度をどうするかは 社会全体に関わる問題であり、

 国民の意見を聞きながら 維持か廃止か はっきりさせる必要がある 」

〔 読売新聞より 〕