「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

拘置 最長37年 -- 死刑執行の現実 (6)

2008年11月07日 21時45分26秒 | 死刑制度と癒し
 
(前の記事からの続き)

 帝銀事件の平沢貞通死刑囚 (当時95才) が 1987年に獄死して以降、

 執行されないまま 死亡した死刑囚は7人。

 このうち4人は 70才以上で、 10年以上の拘置ののち 病死しています。

 2006年には、 拘置中にリウマチを患って 両足が不自由だった死刑囚が、

 車椅子で 刑場に連れて行かれ、 刑務官に両脇を抱えられて 受刑したといいます。

 一貫して無実を訴えている 袴田死刑囚 (72) は、

 80年に死刑が確定した 数年後から、

 意味不明な発言を 繰り返すようになりました。

 拘禁反応という 精神の障害が指摘されました。

 死刑確定から 20年以上拘置されている 死刑囚は9人おり、

 最長は 37年10ヶ月になります。

 法務大臣によって 執行数に差があったことや、

 再審や恩赦を請求している 死刑囚の執行が 控えられてきたためでもあります。

 再審の請求は 執行停止理由ではありませんが、

 万が一にも 冤罪の人の命 を奪ってはならないとして 対象から外されます。

 長期間拘置の間に、 病気や精神的な 問題が生じて、

 死を待たざるを得ない 死刑囚もいます。

 再審請求で 執行が先延ばしになる 弊害はありますが、

 執行されないよりは いいのかもしれません。

 それとは反対に、 早期に執行される ケースも出始めています。

 裁判員制度を念頭に 争点が絞られて、 わずか2ヶ月で 判決が出され、

 被告が控訴を 取り下げたため、

 2年8ヶ月という 異例の早さで執行された 死刑囚もいました。

 長期拘置の矛盾を 見つめなおすべきなのかもしれません。

〔読売新聞より〕

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/56719246.html