TBS「いのちの輝きスペシャル」

昨年10月に放映されたこの番組が、1月6日に再放送された。
難病と闘う小さな子供とその家族のドキュメンタリーだ。

この番組で最後に紹介された５歳の女の子、
「大理石骨病」の華ちゃんのおかあさん＝Ｍさんは、私の中学時代の後輩。
このブログにもときどきコメントをつけてくれている。

「大理石骨病」。

古い骨が代謝されずに骨髄までが骨で埋め尽くされていくという難病で、血液を作ることが出来ない。
菌やウイルスと闘うべき白血球が少ないため、感染症が命とりになりかねない。

この仕事をしていながら本当にお恥ずかしいのだが、
私はＭさんから話を聞くまで、この病気を知らなかった。
そして、診断できる医師自体、日本にはほとんどいないことから、発見が大幅に遅れた。

２年以上の岡山大学病院への入院と治療。２度にわたる骨髄移植。
１度目は定着せず、２度目で奇跡的な成功。
これで退院できる、と思った矢先、容態が急変しＩＣＵへ・・・。
文字通り生死をさまよったけれど、命からがら、ＩＣＵを出た。
長くてつらい、絶飲食の日々にも５歳の彼女は耐えた。

で、番組はそこで終わっているのだが、
昨年秋に華ちゃんはついに退院。

Mさんはブログを書いていて、そこで華ちゃんの様子を知ることができたのだけど、
１０月に番組がオンエアされて以来、アクセスが殺到し（いわゆる炎上ってやつですか）
心ない荒らしにも合い、休止せざるを得なくなった。

様子がわからず、心配していたところ、Mさんから年賀状をいただいた。
そこには、きもの姿で笑っている華ちゃんの元気な姿が。

骨髄移植には成功したが、病気自体が完治したわけではない。
まだまだ予断は許さないけれど、なんとか頑張ってほしい。
無力なセンパイとしては、ただそれを祈るのみだったのだが、

昨日未明、華ちゃんは天国に召された。

お母さんの腕のなかで、手を握り息をひきとったそうです。

三線のお稽古の帰りにそれを知って、愕然とした。
これが現代の医学の限界だったのだろう。残念です。

ここ2年以上、入院生活を余儀なくされた華ちゃん。
亡くなる前日、６歳のお誕生日を自宅で、家族とともに過ごすことができたのは、
彼女にとって幸いなことだったと思う。

テレビ放映を見て、感想をブログにアップしますね、とMさんに連絡してあったのだが、
まさかおくやみの更新になるとは思わなかった。
Mさん。心より、おくやみ申し上げます。
本当にお疲れ様でした。

医療マーケティングの片隅から