医療ライターのいもづる話 by 中保裕子

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透析医療中止という選択もある

2019-03-13 11:47:14 | 医療・健康

ヤフーニュースより。

「茂木氏『看過できない』透析中止問題で持論述べる」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190312-03120307-nksports-ent&fbclid=IwAR1o74-7XyLFeLBd5uPtSGdC3BO99IAZYP5rLmlWEx135Ui5cssPP-zw8-k

 

この茂木健一郎氏の意見には違和感しかもてません。
現場を知っていて言ってるんでしょうか?

茂木さんは「『人工透析をしない選択もある』と患者に示すこと自体がナンセンスである」とコメントしています。
一見正論に見えるのがこわいところで、これにマスコミが同調すれば、透析医療は古い時代に逆戻りしてしまいます。

 

 

昨年1年間、透析医療の取材をしてきて、がん医療との差に愕然としました。

(実態として)病院を選べない、
治療方法も選べない(腹膜透析という方法もありますがほとんどの病院が血液透析にしか対応していません)、
ましてや「もう治療はやめて緩和ケアのみにしたい」という選択もできない。

自分の体なのに、そして、週3回3時間は針を刺しベッドにつながれるという負担の高い治療であるにも関わらず、
患者自身が選択できる余地がほとんどないのです。
実際、こうした現状に問題を感じている医師もいました。

医療者の中でもさすがにこれはいかんだろ、と問題視されはじめ、
ようやく透析医療でもSDM(Shared Decision Making:患者と医師が治療方針に関して協働して意思決定すること。患者参加型の治療方針決定)
を実践していこうという動きが出てきた矢先に、公立福生病院の事件。

公立福生病院の場合は、ガイドラインや倫理委員会という手順が踏まれなかったこと、
心理的なケアが不十分なままに透析中止の決定が行われ、
その後の患者さんの気持ちの変化にも対応しなかったことが問題なのです。

もちろんそこは非難されてしかるべきですが、「人工透析をしない選択もある」こと自体が悪いわけではありません。

透析導入直後はうつ状態になる人も少なくなく、被害に遭われた患者さんが冷静に自分の命を考えられる精神状態だったかどうか。
「もう透析はいいかな」というつぶやきが、果たして本心からの声だったか。
「昨日はああ言ったけど、一晩寝たら考えが変わった」という気持ちの揺れはあって当たり前だし、
医師の前では本音が言えない人もまだまだ多いのです。
患者さんの心の揺れを丁寧にすくい取るシステムは不可欠です。

 

亡くなられた患者さんのような悲劇を起こさないためにも、
透析医療にかかわる皆様には、門外漢の無責任なコメントに惑わされることなく、
SDMを確立するための心理ケアなどの体制整備をぜひとも進めていただきたいと思います。
(あえて言っておきますが、心理ケアに関しては医師に期待してはだめです。)

透析医療の緩和ケアもまだ確立していないと聞きました。
透析を中止すれば、急速に体調は悪化します。
患者の苦痛を取り除くのも、医療の大事な役割だと思います。

 

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