医療マーケティングの片隅から

医療ライター・医療系定性調査インタビューアーとして活動しています。独立30年を機に改題しました。

「がんで困ったときに開く本2016」発売のお知らせ

2015年08月31日 | 仕事

ちょっと宣伝させていただきます。
8月31日、朝日新聞出版から「がんで困ったときに開く本2016」が発売されます。

 

内容は・・・

1章 がんが心配で困った
2章 告知されて困った
3章 病院選びで困った
4章 セカンド・オピニオンで困った
5章 検診・検査で困った
6章 医師との関係で困った
7章 治療方針で困った
8章 入院で困った
9章 手術で困った
10章 抗がん剤で困った
11章 放射線治療で困った
12章 緩和ケアで困った
13章 お金で困った
14章 退院を迫られて困った
15章 治療後の生活・仕事で困った
16章 再発・転移で困った
17章 終末期で困った
18章 家族が困った
19章 とにかく困った(←18章までに困ったに入らないものいろいろ、です(笑))

というテーマで分け、患者目線で設定した241の「がんの悩み・質問」に専門家に答えてもらうというもの。
ライターも、この質問設定から参加しています。

中保は2章と6章を担当させていただきました。
2つの章で14ページ分なのですが、この7月~8月はまるまる費やした気がしています(笑)
新たにがんと診断された方や、ご家族が闘病されている方など、はじめてがんと向き合う方の参考書として、お役に立てていただければ幸いです。

→Amazonはこちら

 

 

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抗がん剤の「やめどき」

2015年08月28日 | 「がん」について

「腫瘍マーカーが下がらなくても、抗がん剤ができなくなるまで続けましょう」だと?
そんなの、主治医が決めることではないだろう。患者さん本人が決めることだ。
「下がらないけど、できなくなるまで続けましょう」ではなくて、「下がらないけど、どうしますか?」と訊いてこその医療だろう。
抗がん剤ができなくなるまで、とはつまり、できなくなるほど副作用が激しく現れるまで、という意味でもあるのだから。 

-長尾和宏「「抗がん剤10の『やめどき』」(ブックマン社)→Amazon

この本の著者、長尾和宏医師にはお会いしたことはありませんが、地域の開業医として700人の看取りを経験され、これまでも「平穏死」や「胃ろう」についての著書を出し、看取りのありかたに積極的な発言をされてきた方です。がんの専門医ではありませんが、がんセンターなどの外来で抗がん剤治療をしている患者さんを継続的に診察し、心身両面のサポートをされています。たとえば、治療に疲れ果てた患者さんへの精神的ケアから、副作用の緩和まで。

上記の引用は、その長尾医師が患者から腫瘍マーカーの数値を聞き、「Aがんセンターのがん専門医の先生」から「マーカーの数値があまり下がらなくても、抗がん剤治療ができなくなるまで続けましょうと」言われたと聞いたときの、「若干腹立たしい」心のうちです。

痛いところついてる、と思いました。

これまでたびたび書いているように、わたしは現代のがん医療については肯定する立場です。
取材をすればするほど、「むしろこれだけ進んだ医療を否定するなんて、もったいない」としか思えません。何度も言ってますが全がんで治癒率はもう50%以上になっているんですよ。それは医学の進歩のおかげでなくてなんだというのか。

ただ、それでも万能ではありません。
抗がん剤が効きにくいタイプのがんもあり、効いたとしてもいつか耐性ができて、効かなくなる時がくるのも事実です。

たしかに医学、医療技術は格段の進歩を遂げています。ですが、回復がのぞめないときの医療のありかたや、看取りのありかたについては、まだまだ疑問も多いし、満足いくものではないと感じています。どこかの首相がいう「積極的平和」ではありませんが、先制攻撃だけが是ではないのです。やるべきことはもうやり終えたと感じ、「もうあとは自然に任せて、好きなように残りの人生を楽しみたい」という決断をした患者に対しても寄り添うことも必要です。(もちろん、がん専門病院や大学病院には、積極的攻撃を担ってほしいと思いますが)。

長尾医師のこの著書には強烈なメッセージがいくつもありました。
印象に残ったところをこれから紹介していきたいと思います。 

 

【追記】

昨今は副作用が出にくく改良された抗がん剤や、そもそもあまりきつい副作用がない分子標的薬などもあります。
腫瘍マーカーが顕著に下がらなくても、副作用があまりきつくなければ、維持のために化学療法を続けるというのはひとつの選択肢であり、長尾医師もそれを否定しているわけではありません。
きつい副作用が続けば体力を失い、むしろ縮命になることもありますが、そうでなければ続けるのもあり、ということです。
実際、この本にも「やめどき10」として「死ぬときまで」が挙げられています。切ないですが・・・。

 

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「進撃の巨人」って

2015年08月10日 | 旅★日記


お恥ずかしい話、実を申しますとわたくし、今日まで「進撃の巨人」というのは、主役のヒーロー、正義の味方と固く信じておりました。

が、どうやら違うらしいです。。

以下、自分の勘違いを、精いっぱい自分で弁護(笑)

悪役がタイトルになるのはレアケースではないかと思うのですよね。

わたしの記憶では「宇宙猿人ゴリ」がそうでした。



1971年に放送されたヒーローもので、Wikiでは「スペクトルマン」の項に出ています。
→Wikipediaへ

なぜ「スペクトルマン」の項に出ているかというと、番組タイトルが途中で変わったためです。

当初のタイトルだった「宇宙猿人ゴリ」はまぎれもなく悪役。制作者側は差別化を狙ったのでしょうが、どうやら局側から「悪役がタイトルなのはおかしい」という話が出てきたようなんですね。

最初のころのオープニングはこれ。

「宇宙猿人ゴリ」のオープニング

特撮チープ(笑)
歌詞も悪役に同情を求めてどーするって感じですが…。

地球を守るヒーロー「スペクトルマン」に番組の看板も守れ!とばかり白羽の矢が立つわけですが、いきなりタイトルの全取っ替えはいささか唐突すぎると思われたのか、

「宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン」


とゆるく移行。スペクトルマンの方を大きく書いているところが微笑ましいですね。

でも、やはり長すぎたらしく、まもなく

「スペクトルマン」


に変わったのでした。

タイトルが「宇宙猿人ゴリ」なのに、オープニング曲が「スペクトルマンゴーゴー」だったのも、今から考えれば、どこかチグハグです。

なにより1年か半年かの間に、二度もタイトルが変わるドラマなんて、子ども心にすごく奇異に思えたことを覚えています。
今から考えると、やはり悪役がタイトルに来るのは妙でしたね。

「巨人の星」の裏番組だったらしいので、マイナーだったかも。
ま、わかる人にだけわかってもらえれば結構、ということで(笑)

こちらのブログにも詳しく、画像もお借りしました。


東京湾花火大会 photo by Booさん


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