医療マーケティングの片隅から

医療ライター・医療系定性調査インタビューアーとして活動しています。独立30年を機に改題しました。

ホールは楽器

2011年05月29日 | 音楽

所属の「クラリネット・アンサンブルGrow」で「奥沢駅前音楽祭」に初出演させてもらいました。
奥沢駅前の商店会さん主催のイベントで、今年で9回目だそうです。

 

私たちの出番はほとんど朝いちだったので天気はもちましたが、午後は雨と急変。
気温もこの一日で14度下がったとか。変な天候ですね。
にもかかわらず、駅前の特設ステージの前の客席には、大勢のお客様が。
夕方の雨のなかも、傘をさしてご覧になっている方もたくさん。
このイベントが、いかに地元に根づいているかがわかります。

 

じつは、私たちにとって、野外の演奏、となると、いつもとは勝手が違います。
金管が入るブラスバンドなら音も通るし、どのような場所でやってもそれなりに映えますが、木管楽器は外では響きにくいのです。
少人数のフルートや、サキソフォンの演奏では、PAを使うケースが多いようですが、20名ほどのわれわれの場合、へたにマイクを通すとパート間のバランスがくずれてしまうので、使いたくない。


奥沢の演奏については、最初お話をいただいたとき、その点が少し心配でした。
残響ゼロのところでは、クラリネットの音の良さは伝わらない(あっ自分たちの演奏力のなさは棚に上げています!)…。

が、奥沢駅前には「駅舎」というすばらしい反響版が!

駅舎に対面する形でステージが設けられているので、音は駅舎にぶつかっていい感じに跳ね返ります。
おかげで、PAを使わず、自分たちもとても気持ちよく30分間の演奏をさせていただきました。
お運びくださった皆さま、ありがとうございました。

 

ま、ひとまず、強風のなかで吹いたわれわれの演奏を見てやってくださいな。
まずは、私たちが好んでよく演奏している「ベートーベン ピアノソナタ『悲愴』より第2楽章」。
別名、「アダージョ・カンタービレ」。ビリー・ジョエルもアレンジして唄ってましたね。(タイトルなんでしたっけ。)

 これ、私のスマホ(Xperia)で亭主に撮ってもらいました。
手持ちだったので、まるで余震のようですなw
次回、せめて三脚は買わないと。 と、亭主に固く誓わされました。
民謡はともかく、クラシック曲は短くても6ー7分。その間、固まっているのはたいへんです。 
できればいっそ、デジタルビデオカメラも・・・。

 

つづいて、こちらは予想どおり、お子さんたちにウケたやつ。
メンバーの遠峰さんが編曲してくれました。

 

ちなみに、定期演奏会では、ちょっとぜいたくしても、残響時間の長い、クラシック専用ホールを使っています。
アマチュアのくせになんとぜいたくな!と思われるかもしれませんが、
前述したように、クラリネットアンサンブルというやつは、「ホールは楽器のうち」度がとくに高い、と思うからです。

 

第2回演奏会@東京オペラシティ・リサイタルホール

 

で、ご案内
2012年3月10日(日)の午後、東京オペラシティ・リサイタルホールで、クラリネット・アンサンブルGrowの第3回定期演奏会を開くことになりました。
「シェヘラザード」全曲と「魔法使いの弟子」という2大メインに取り組みます。
「まほでし」の方は、オブロー版。かなり無謀です。(断言)。
まだちょっと鬼も笑うほどの先ですが、ぜひいらしてくださいね。

そして、団員も募集中ですので、「まほでし」吹きたい!というクラ吹きの方、ぜひ入団してください。
ちなみに、いま一番足りないのは、バスクラです!!(涙)

 

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うつ病なのに、受診できないジレンマ

2011年05月27日 | 仕事

ここのところ、音楽活動の宣伝ばかりが続きましたが、今日はひさしぶりにお仕事の宣伝です。
いや、「宣伝の宣伝」かも。

今日、5月27日(金)の日経朝刊22面に、

「日経メンタルヘルスプロジェクト」脳とこころのサイエンス

が掲載されました。

これから毎週金曜日の日経朝刊に、5週連続で掲載されます。
中保は、国内でも著名な4人の精神科医へのインタビューと、原稿作成を担当しました。

 

日経が近くで入手できない方は、「日経電子版」へどうぞ。
この記事は、無料公開です。

 

 

じつは、このお仕事をいただく前から、うつ病がおかれている状況には問題を感じていました。
年間3万人を超える自殺の背景には、少なからずうつ病が介在しています。治すことができる、という意味だったはずの「こころの風邪」というキャッチフレーズが、ともすれば曲解されて、軽い病気のように思われてしまうこともあります。少なくとも、強烈な自殺願望に襲われることがある病気なのだから、そう軽視してもらっては困るんですけど。

 

それに、「もしかしたらうつ病?」と自覚している人にとっても、精神科というのは、最初はとても受診しにくいところなんですよね。初期症状はまず身体的なところに出ることが多いので、症状そのものがわかりにくいし、ますますうつ病を重症化させてしまっています。先日、Twitterで「自分がうつ病だと思うから、精神科に行きたいのに、家族が“心の病気なんて世間体が悪いからやめてくれ”と言うので病院にいけない」とつぶやいていた女性もいました。その女性とは直接面識もないし、その後はわかりませんが、いま、どうされているのか気になります。

 

最近、マスコミでやたら、抗うつ薬の過剰投与が書かれるようになったことも、受診しにくくさせていると思います。おかげで、薬を飲むべき患者さんまで、飲みづらくなったという話も聞いています。昨年秋に参加したシンポジウムでは、ある精神科医から「せっかくうつ病がよくなって会社に戻ったのに、上司から『そんなクスリを飲んでてだいじょうぶか』と訊かれて中断し、また悪化してしまった」という話がありました。いやはや、恐ろしい誤解。血圧や血糖値の薬だったら、他人にそんなこと言いますか?どうみても、素人が無責任にいうべきことではないのに、「やめた方がいいよ」とか言っちゃう。で、上司にそう言われたら、抗うすべもなくなってしまう。

 

もちろん、薬である以上、むやみに大量投与されるべきものではないのは当然です。しかし、いまの医学では、認知行動療法をできる施設は少ないし、時間もかかるしで、抗うつ薬は数少ない治療の選択肢であることは確かです。そもそも認知行動療法だって、抗うつ薬を完全否定するものではないと思います。



というわけで、「うつ」を「こころの風邪」なんて文学的文脈ではなくて、ちゃんと科学的に説明するからわかってよ、という広告を書きました。とはいえ、わたくし、文科系出身なので、だれでもわかる範囲だと思います。
ともあれ、仕事を通じて、自分自身の伝えたいことも載せられたので、とてもうれしい仕事でした。
ご高覧いただければ幸いです。

 

 

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【チラシ入手!】奥沢駅前音楽祭

2011年05月19日 | 沖縄民謡・三線

わたしのもうひとつの趣味として、年数だけは長くなりつつあるバス・クラリネットがあります。
こちらも、所属の「クラリネット・アンサンブルGrow」で、近く公演があります。
今回はオープンなイベントで、しかもGrowとしては珍しく屋外での演奏です。

30分間のステージで、
・ベートーヴェン「アンダンテアダージョ・カンタービレ」
・レスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア」より“シチリアーナ”
といったクラシックの小曲や、その他ポップスも含めたたのしい曲たちを演奏します。

わたしの今回いちばんのお気に入りは、 「猫ふんじゃった」
団員でコントラアルトクラリネット吹きのT峰さんの編曲によるものですが、途中で「猫」に混ざって、「くま」が登場し、濃厚なからみあいを見せる、すごく楽しいアレンジになっています。
「くま」の正体やいかに?・・・それは聴いてのお楽しみです。
日曜日の朝ですが、お近くのかたはぜひお運びください。


奥沢駅前音楽祭2011
5月21(土)~22日(日)雨天決行
クラリネット・アンサンブルGrowのステージは 22日(日)10:25~10:55(予定)

ステージは1回のみです。
時間が前後する可能性もありますので、時間に余裕をもってお越しいただければ幸いです。
お待ちしてます~

5月19日追記
ようやくチラシを入手しました。(よくみると、さりげな~く「東儀秀樹」さんのお名前が・・・。毎年出演されてるんですね。)
曲名を一部訂正しました。
 

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沖縄民謡は「いのちのお祝い」

2011年05月11日 | 沖縄民謡・三線

「近況」の第2弾、“オンガク”編です。
忙しいときって、公私ともに重なりませんか?
4月~5月は仕事がいつになく立てこんだだけでなく、趣味の活動ほうもいろいろありまして…。

ご存じの方もいらっしゃると思いますが、わたしは沖縄民謡を習っています。
4月24日に、某公共施設からのご依頼で、兄弟弟子と人で沖縄民謡ライブをやらせていただきました。

わたしは、唄三線(少々)と、太鼓(ほとんど)と、MC(ずっと)担当。
唄三線では、多少、相方2人に迷惑をかけたかもしれませんが、大きな失態はありませんでした(出演者のみなさまへ→問答無用)。しかし、MCとしてはのびのびしゃべりすぎ、「今日は若いお客さまはいらっしゃらないようで~」などと口走ってしまう始末(事実ですが・笑)。
まちがって政治家にでもなった日には、「3日で舌禍」になるであろうことが明らかになったのでした。

そもそも沖縄民謡は、第2次世界大戦により島全体の3人に1人の命が失われた沖縄で、残った者が生きていくための励みとして歌われたという経緯があります。
生き残った者が、生きていることを喜び、「いのちのお祝い」をしようと唄われたそうです。
たとえば、敗戦後すぐの1953年につくられた「ヒヤミカチ節」などは、「エイッという掛け声とともに立ち上がれ」と、そのあたりがストレートに表現された唄だったりします(今回は唄ってないし、それ以前に手を忘れちゃってぜんぜん弾けないのですが(涙))。

内地の人は、沖縄民謡に「癒し」を求めます。
亜熱帯気候のもとに生まれた文化だから、たしかにそういうところはあります。わたしも初めはそうでした。
しかし、バックグラウンドを考えると、唄の存在は「癒し」というより「励まし」とか「鼓舞」「応援歌」に近いものだったのではないかと思います。
(ただし、仕事中に民謡のCDをかけたりすると、確実にやる気は減退します。「汗水節」という、「汗みずたらして働こう」という唄なんか、あまりに脱力系メロディで、わたしなどまったく働く気になれません…。いい曲なんですけど、でも労働意欲向上はムリ)

 

そういう意味で、まさにこういうときこそ、沖縄民謡の本領発揮なのではないかと。
今日で、震災からちょうど2か月。
まだ、ご遺体が見つからない方や、身元確認ができず、ブルーシートがかけられたままのご遺体もたくさんある由。
戦争もそうですが、自然災害も非情です。

合掌。
そして、生きていかなければならない被災地の方々にちからを。

 

全国の兄弟弟子のみなさま
ここで書いてることは、だいたい合ってると思いますが、「違いマス!」などのご指摘は、こっそりお知らせください(笑)
(5/12追記・・・さっそくS崎さんから訂正箇所をご指摘いただきました。なんと出演者の人数をまちがえていましたw)

 

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近況~「オシゴト」編

2011年05月08日 | 仕事

東北新幹線が全面的に開通。
6月末に仙台で予定されていた日本乳がん学会の開催がどうなるか、結果を待っていたのですが、9月に延期されることになりました。
本来、4月から6月にかけては毎年“学会ラッシュ”の時期なのですが、今年は、あらゆる学会が延期に…。
まったく関係なさそうな三重県あたりでも、研究会などの行事が中止されています。
たしかに精神科医を含めた医師が全国から交代で被災地に向かっているなか、学会に行ってる場合じゃないだろうし、学会で仙台に来るくらいなら、被災地で診療してよ、というところでしょう。
避難所は、滞在が長期化すればするほど、健康問題が大きくなってくるので、医療者の力はますます必要になります。

私の仕事もそれなりに地震の影響を受けています。
3月後半の取材は、すべてキャンセルとなりました。
そしてそのキャンセル案件が、4月に一気に再開したのでさあ大変!
4月は通常の2か月分の忙しさでした。
おかげで、まったく自粛したつもりはないのにもかかわらず、お花見もGWもいっさいなくなっておりますw

取材の延期の理由としては、交通の問題もあれば、病院自体の計画停電の影響や、取材先の医師や医療スタッフが被災地に派遣されたところもありました。
被災地への派遣は、病院スタッフが数班に分かれ、「現地滞在72時間」で交代しながら診療するのだそうです。
睡眠は学校の理科室等でとることになってはいるものの、実際のところ72時間はほとんど寝られません。したがって、それ以上の時間は体力がもたないとのこと。
被災地から戻れば、日常の病院業務が待っています。ほんとうに大変な仕事です。

ちなみに、計画停電は「ある」と信じていたわたしは、震災発生後4日目の15日には、新しいレッツノートを手にしていました(笑)
前のレッツノートが7年以上経過しているため、バッテリーが1時間と持たなかったので。
3時間どうにか仕事を続けられる環境づくりのための投資、ということにしておきます。
こういうとき、わたしのような零細企業の経営者は、やたら決裁は早いのです。稟議書いらないし。
渋谷のビックカメラのPC売り場が結構混んでいましたが、みんな計画停電対策だわ、きっと。(能天気)

で、結局、わたしの地域では計画停電は実施されませんでした。
でも、それを機に新しいこのノートPCを持ち歩く機会が増えました。
見せびらかしたいわけではないんですよ。
出先で何があるか、いつ交通がストップするかわからなかったからです。(そのくらい、スケジュール的に切羽詰っているということの表れでもあります(汗)。)

 

日常のつぶやきはTwitterで、仕事の活動はFACEBOOKで小出しにしているので、ブログというまとまった文章をアップする動機がやや薄れつつあります。
が、やはり大出し(?)=ある程度の字数がないと書けないものもあるし、そして、ここでなければ出会えない方もいらっしゃるので、ぼちぼちではありますが、こちらも更新していこうと思います。
よろしくおつき合いください。

 

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