荻原浩・著「明日の記憶」。
いやぁ~、こわい本でした。
久々に小説の面白さにどっぷりつかった、なんて言葉では表現できないようなショック
ハードカバーなのに、3晩で読み終えてしまった。
ただでさえ仕事が忙しかったのに、かな~り睡眠不足。。
で、この本ですが。
広告代理店勤務の50歳の営業部長が、若年性アルツハイマー病にかかり、その進行を「本人の眼から」描いたもの
私が知る限りでは、ここで書かれている病態は医学的にも正確だと思う。
著者は私より6つ上の方だが、身近にいたのかしら、患者さん。
会議中に、代名詞ばかりで固有名詞がでてこない・・・。
物語はそこからスタートするのだが、
これって・・・よくあるんだけど。結構ビビる。
社内の会議を忘れ、得意先とのアポイントを忘れ、うつ病ではないかと疑って精神科へ
そこで「若年性アルツハイマー病の初期症状」と診断される。
娘の結婚を目前に控えた主人公は、自分の病気を会社にはひた隠しにする。
欠けて行く短期記憶を誰にもさとられないように、誰が何を言ったか、速記録のようなメモをとり、
背広のポケットに紙の切れ端をぎっしり詰め込む
この病気をもちながら、会社生活とどう折り合いをつけていくか
そのあたりがとても興味深かった。
そういえば、私の知人にも、定年で退職したあとに発病して、毎日出社してしまうおじさんがいたっけ
あげく、自分が担当していた得意先にまで毎日顔をだしていた。
最近、「そうだっけ?」が多い私にとっては、他人事と思えない。
夢中になって読んだのは、おそらく不安の裏返し
(今のところ支障はないはずだが・・・、ひょっとしたら支障にすら気づかないだけかも。。)
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