医療ライターのいもづる話 by 中保裕子

マーケティングプランナーから医療ライターへ。地域医療、地域包括ケアシステムの存続にはマーケティングも必要です。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

今年の5冊。

2008-12-30 18:16:08 | レビュー
年の瀬なので、今年読んで特に面白かった5冊を選んでみる。
一応、読んだ本のタイトルと日付、A,B,Cの評価だけをつけるというのを20年以上続けているので、
今年のリストでめでたく(どこが?)A上マルをとった作品をセレクトしてみた。
まあ、嗜好はバラバラでまるで統一感はないけれど。(仕事の資料は一応除外してます)

というわけで・・・


1位 「ガジュマルの家」(大島孝雄)

この本についてはこちらで書いたので、省略。


2位 「ポスト消費社会のゆくえ」(辻井喬・上野千鶴子)

堤清二と上野千鶴子がセゾングループの紆余曲折と日本の消費行動の変化について対談した本。
私は結婚まで西武線沿線に住んでいたし、ウディ・アレンの「おいしい生活。」など糸井コピーが一世風靡したころに社会人になり、全盛期の西武をお手本としてマーケティングを勉強し、銀座セゾン劇場のこけら落しを観て、「タラサ志摩」に数回行き・・・と、野球に無関心だった以外はある意味西武といっしょに社会人生活を送ってきたので、アルバムをひっくり返すような気持ちで読みました。

意外なエピソードも多くて、たとえば堤清二が西武百貨店の新米店長の頃、伊勢丹創業者の小菅丹治氏に教えを乞い、小菅さんが西武の売場を見て回ってチェックしたそうだ。昔の経営者はふところが深いですね。
まあ、その頃の伊勢丹は西武なんて歯牙にもかけなかったのかもしれないけど。

3位 「昭和天皇」(原武史)

いろいろな伝記があるが、最近でたこれは視点がとても新鮮だった。
これを読むと、天皇という仕事は実際かなり神職に近いということがわかる。
あと、実母の貞明皇后との複雑な母子関係がそこにからんでいることとか。母子の気持ちのすれ違いとか、反抗心とかは、宮中でもわれわれシモジモの者でもあまり大差ないような気がする。


4位 「あなたも今までの10倍速く本が読める」(ポール・R・シーリィ)

フォト・リーディングを学べる実用書。
さすがに10倍とまでは行かないけれど、ここ5年ほどは年間30冊読むか読まないかぐらいの量だったのが、今年はいっきにその倍くらいになったのだから、効果はあったのかも。特に取材の前に関連書籍にどさっと目を通す際には有効。
それにしても勝間和代さんが読むのは「月100~150冊」って、いったいどーなっとるんじゃ。と思います。

同類の書で、マイクロソフトの日本支社長だった成毛真さんが書いた「本は10冊同時に読め!」も参考にはなった。
が、この本はツッコミどころも満載で・・・ある意味おもしろすぎるのでいずれ紹介しようかと。


5位 「グレート・ギャツビー」(村上春樹・訳)

フィッツジェラルドのなんだかやりきれない顛末の小説だけど、もともと親戚(母のいとこ)の手による翻訳本がスタンダードといわれていたこともあり、村上春樹の新訳がどんな感じだか興味があって読んでみた。

文章のリズムはまるで現代のストーリのよう。それだけに「執事もいるような豪邸」とか、当時のアメ車が走ってる景色、とかの時代背景との間にちょっと違和感をおぼえた。別に身内びいきではない。身内のは読んでないので(笑)。



さて、来年は・・・
年が明けたら「悼む人」で天童荒太デビューしようかと思っている。
それと、わが家のツン読本棚はすでに満席なので、図書館をもっと活用するつもり。


あっは「私的今年の旅行地ベスト1」のバンコクです。これは夕暮れのバッポン通り。
私が行ったのは夏。もし先日の空港ストに直面していたら、二度といきたくない!と思っただろう。今もまだ混乱は続いているようだ。

ではでは皆様、よいお年をお迎えください。



★今年も読んでいただきまして、感謝。
人気Blogランキング
コメント (5)

「ガジュマルの家」

2008-12-18 11:18:12 | レビュー
こんな不思議な読後感の小説は初めてかもしれない。
大島孝雄「ガジュマルの家」(朝日新聞社)。

石垣島を舞台に500年間キジムナーとして生き、人に生まれ変わって18年生きている「ぼく」と、
「ぼく」がつかず離れず暮らしている安里屋のクヤマさんの一家が主人公。
完全にフィクションなのだが、琉球王国時代の「日本化」だの、米軍の上陸、マラリアの蔓延・・・
とホントの歴史上の事件が織り込まれている。

「石垣島」も「宮古島」も「波照間島」も、日本によって無理やりつけられた当て字で、
本当は「イシャナギ島」であり「メーク島」であり「パテローマ島」だったのだそうだ。

とにかく、すごくスピード感のある物語で、
それはそれはたくさんの人があっけなく亡くなる。
そして、亡くなった人がたくさん出てくる。
それがちっとも悲しくないのだ。

もちろん島の歴史に悲しい事件はたくさんあるが、
そうしたものはドライに描かれているし、全体通じて何となくオカシイ。
死者だってゾンビみたいな感じではなくて、墓の入り口が空いてたので何となく家に帰ってきてしまい、
家人と普通に会話して、帰れといわれて墓に帰ってく、みたいな。

沖縄をよく知らない人にとっては荒唐無稽な話なのだが、
石垣島という舞台では「それもあるかも。」と思えてしまう。
石垣島の歴史とか、ちょっと沖縄民謡をかじっている人とか、
安里屋のクヤマとか、野底マーペーの伝説とかを知っているとなお楽しめるかも。

(どんな伝説かってわたしに聞くのはやめた方が賢明です。
わたしのその手の知識は、その多くが思い込みと勘違いであることが最近判明しつつあるので(恥)。)

前半はちょっと時間の跳躍がわかりにくくて読みづらいが、
後半はどっぷりはまれる。
出張先の仙台でおひとりさまの牛タン後、
あまりにも面白くてホテルでいっきに読み通した。


【追記】
すでに1週間近くたってしまいましたが、12月13日(土)の読売新聞関西版朝刊
「日本癌治療学会」の市民公開講座の採録記事を書きました。
大阪方面にお住まいの方、ご高覧いただければ幸いです。

★1クリックの応援をお願いします。
人気Blogランキング
コメント (5)

水の良し悪し

2008-12-08 19:27:13 | 医療・健康
この週末のNAHAマラソンでは、3人もの知人が完走したらしい。
那覇から、本島のほぼ南端にある平和祈念公園まで往復するなんて、
タクシーでも片道30~40分くらいかかる。
徒歩だって信じられない~。

そのうちの一人、Hさんは、最近東京近郊のレースで脱水症状を起こし、
ER行きを経験した。
脱水症状って、自覚症状はないのだそうです。
そっか、だから高齢者が発熱したときなど注意しなくてはいけないわけだ。

関係あるようでないような写真ですが・・・
今年の出張先、神戸近くのイベントで配布されたミネラルウォーター。
・・・かと思いきや、「災害用備蓄水」。
裏にはごていねいに「原料:水道水」と書いてある(笑)。

いただきものに文句をいうのもあれなんだけど、
これがどうにもおいしくない。
氷水につけて冷え冷えで出して頂いたのでどうにか飲めたが、
常温ではカルキ臭さがかぐわしく・・・。

私たちってこんな水道水飲んでたんだっけ?と愕然・・・。

せめて写真だけでもおいしそうに撮ってみようとトライしたわけなんですが(汗)、
・・・はぁ~~いまいちですな。

きっとこのあたりの人は「六甲のおいしい水」クラスの水を飲んでるのだろうと思っていたが(→バカ?)、
かなりの誤解であることが判明した。

ついでながら、先日10数年ぶりくらいに秋葉原に行き、
「歩いてる女子は全員メイド、男子は全員オタク」
という私の思い込みが、またまた完全なる誤解であることが判明した。
ただ、外国人が多い街だという点だけは当たっていた。


話は戻るが、ともあれ完走された皆さま、おめでとうございました。


【追記・訂正】
NAHAマラソンのコースは、正しくは「往復」じゃなくて「南部一周」でした。
ありえない!!
NAHAマラソン公式HP


★うがい、手洗い、ポチっとクリック!
人気Blogランキング
コメント (3)

病院の「接遇」って

2008-12-04 21:37:56 | 医療・健康
東大病院の接遇向上センターが院内向けに実施したセミナーを見学させてもらった。


日中の業務が終わる午後5時半から、白衣を着たままの医師やナース、
管理栄養士さんたちが続々駆け込みで集まってきた。
ざっと40人程度はいただろうか。
時には、100名を越す回もあるそうだ。


今回の講師はⅠ型糖尿病、血友病といった慢性疾患の患者さん。
NPO日本慢性疾患セルフマネジメント協会というグループを立ち上げて、
患者どうしで行なう、米スタンフォード大学で開発された
セルフマネジメント・プログラムを実践している。


で、このセミナーの趣旨は、長く医療にかかっている患者さんが
医療者の言葉をどう感じているのか、ナマの声を聞いてみよう、ということ。

「『現段階では治療は難しくても、いずれは治せる』という医師のことばに勇気付けられた」

とか、

「医師に『なんで他の人はできるのに、君はできないの?』と言われてすごく腹が立った」

とか、

「医師から患者会を紹介されたが『ヤングの会』という名前が24歳の私には耐えられなかった」(確かに。。)

とか、興味深い指摘がてんこもり。

参加者からは「普段自分も(患者に)言ってることばかりで・・・グサグサ来ました」といったコメントが。
医療者じゃなくたって当事者にならない限り、気づかないことばかりだ。


東大病院では「接遇」を「コミュニケーション」と定義しているそうだ。
単に言葉づかいをよくするとか、身だしなみを整えるといった形の上での「接遇」ではない。
世の中には「患者様」とかって呼びさえすれば「接遇向上」だと思っている、
そんな医療機関が少なくないような気がするけれど、そういう次元の話では全くない。

今年は患者に対する「気づきと配慮」をテーマに掲げているとのこと。
要は、患者さんの求めていることに気づいてあげて、
それに対応した行動がとれる医療スタッフになろう、ということ。
そのためには、まず患者の気持ちに共感できなければ、という趣旨。


べつに「医師には社会的常識が欠落している」とは思いませんが、
「気持ちのわかる」「通じ合える」医療従事者が増えれば、
小さな軋轢で互いに神経をすり減らすこともなくなるだろう。

これって、本来は医療に限った話ではないのだけど、
とりわけ医療ではナーバスな問題になる。




★1クリックの応援をお願いします。
人気Blogランキング
コメント (2)

お仕事のお問合せはお気軽にどうぞ。

メディカル・健康・美容などの領域を中心に、各種インタビュー取材・原稿作成・編集企画を承ります。 また、医薬・健康関連に特化したマーケティング調査もサポートいたします。 詳しい実績や会社案内をファイルでお送りできますので、お気軽にお声をおかけください。 有限会社ウエル・ビー 鈴木/中保 044-722-2436 【Mail】info@well-be.biz 【HomePage】http://well-be.biz/