新緑の表参道で、ジャーナリストの海野由利子さんたちが主宰されているプレス向け勉強会に参加しました。
形成外科医の山下理絵先生のお話によると、シミやホクロのレーザー治療を受けようとする人に、じつは前がん症状が混じっていることが少なくないようです。1人の人に混在していて、顔にシミがいくつかあるとしたら、シロもあればグレー、へたすればクロもある、というわけです。
症例写真を見せてもらいましたが、ホクロはまあまあ素人目にもわかります(悪性のものは巨大化しつつ内側から崩れてくる感じ)。しかし、シミはまったく見分けがつきません。山下先生は形成外科専門医ですが、これらをどうして見分けているのか、まったくもって職人芸としかいいようがない、という感じでした。
となると、患者さんはまさかがんとは思わないので、「シミをとりたい」の一心だけで美容外科を受診します。できれば、即レーザーでも照射してもらって、1回で済ませる気まんまんでやってくるわけです。問題は、そのクリニックなり医師が、ちゃんとそれがただのシミか、前がん症状なのかをその診断できるかどうか。美容外科医といっても、経験も熟練度もさまざまだと山下先生は指摘します。
その診たてをきちんとできる医師かどうかを判断するボイントとして、山下先生が挙げたポイントは次の通りです。
1.メークもちゃんと落として、スッピンの状態で診察するかどうか
2.患者が気にしているシミだけでなく、少なくとも顔全体をチェックするかどうか
( 全身を診て初めてAIDSとわかる吹き出物もあるとのこと。)
3.「その大きいシミだけとにかくとって欲しい」などという患者の言いなりにならず、検査の必要性や医療としての流れをきちんと提示するかどうか
このようなステップを飛ばして、「はい、シミですね。うちならレーザーを今日にでも受けられますよ」と即治療に持ち込もうとするクリニックは疑うべき、とのことでした。
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