医療マーケティングの片隅から

医療ライター・医療系定性調査インタビューアーとして活動しています。独立30年を機に改題しました。

臍帯血移植

2010年01月17日 | 「がん」について

新年早々、名古屋、松山(四国の)と、立て続けの出張で更新が滞りました。
ま、いつものことか・・・。

1月2日に沖縄から戻ったのだが、翌々日の4日には、大事なミッションがあった。
三線道場の兄弟子「オヤジ」さんの臍帯血移植である。

オヤジさんは2008年11月に腰の手術を受けるために受けた血液検査で慢性骨髄性白血病(CML)が発覚した。たまたま腰を悪くしていなかったら発見はもっと遅れていたはず。その意味では強運の人だ。

臍帯血移植は一度、提供元の某大学の医療ミスで型が合う臍帯血が紛失されてしまい、お流れになったが、ようやくまた合うものが見つかり、移植ができることになった。

骨髄移植にしろ、臍帯血移植にしろ、こんな激烈な治療法、誰が考えたんだかと思うほど激しい治療だ。
何しろ、血液を造る細胞を他人のものと入れ替えようというのだから、事前には1週間ほど、最大量の抗がん剤を投与して一気に自分の細胞を、良しも悪しきも根こそぎ駆逐する。他人の細胞が入ってきたときに拒絶反応を少なくするよう、免疫力をゼロにする。通常、4000~9000/μℓ程度ある白血球が、オヤジさんはいま現在、30くらいしかない。

で、私のミッションとは、本人に頼まれて「臍帯血移植の模様を撮影する」ことでありました。「臍帯血移植手術」というわりには、クリーンルーム(無菌室)内のいつもいる個室で行なわれ、所要時間は準備を含めて10分程度。もちろん、主治医の先生には事前にオッケーをもらいました。

ま、ご本人のブログを見てください。
「オヤジの話 悠々転々生活 その2」2010年1月4日
撮影しながらのナレーションって、思った以上になかなか上手くできないもので、かなり間抜けな実況中継が入っているが、まあご愛嬌ということで(笑)

移植そのものは「注射」みたいなものであっという間。「今日が新しい誕生日だ~」ということで記念写真をとって終了。
しかし、成功したかどうかは、移植3週間~1ヵ月後に「生着」、つまり新しい細胞が自分の体の一部と体が認識したかどうかで決まる。
そこまで来ればしめたもので、クリーンルームを出ることができる。

問題は、それまでに次々に起こるGVDH(拒絶反応)との戦いで、むしろ移植後が本当の正念場なのだ。
CRP(炎症反応)も起こるし熱も出るし吐き気もあるし下痢もするし肝機能も悪くなるし・・・と、ひどい風邪と食中毒と盆と正月(悪い意味で)がいっぺんに来たような状態が長ければ数ヶ月続くので、これはかなり体力のみならず精神力がいる。

幸いオヤジさんはずっと前向きで、元気ではないが気持ちがへたってはいない。
長い戦いになるが、これを乗り切れば根本治療の成功である。
なんとか乗り切ってほしい。

というわけで、お正月に沖縄の斎場御嶽(セーファーウタキ)から望む久高島に快癒祈願。

ところで、三線仲間から「緊張感なさすぎ」との呼び声の高い(?)この映像が、当の病院の血液内科部長の先生からは喜ばれ、どうも学会とかで使われる模様。え~、ウソ~~~。



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元旦の那覇

2010年01月01日 | 旅★日記
沖縄で正月に晴れるのは珍しいらしい。
日頃の行いのよい義弟一家と夫の一行は、朝から今帰仁城とか美ら海水族館へ出かけている。

行いのまったく良くないわたしは、10日目の腰痛が全然良くならず、1日じゅう車に乗るのは厳しいので、ホテルでうだうだしている。
沖縄初上陸の弟一家を案内しようと張り切っていたのに、アテンド放棄(汗)。
行く先々で歌碑があれば、そのつど1曲唄ってあげようくらいの勢いだったのに(嘘←無理)。

そろそろ文字どおり重い腰を上げて、国際通りあたりをぶらついてきます。
リハビリ?いや、「徘徊」かな。
やや情けない新年のスタートですが、今年もよろしくお願いします。



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