2月25日(水)雨、肌寒し。
午前11:時から12時15分まで、NHK、BS1「オバマ大統領議会演説中継」を視聴した。アメリカ議会でのこのようなものを、じっくりと見るのは初めてだった。NHKだって過去にこんなものを生中継までしたことがあっただろうか。かくほど左様に今、世界中がオバマ大統領の一言一句に注目しているということだろうか。
視ていて実に面白かった。まさに千両役者である。満場の議会に、狭い後方の入り口から、二人のいかめしい紳士に先導されて、オバマ政権の閣僚連(ヒラリー・クリントン国務長官他)を先触れにオバマ大統領が入場。通路の両側に立ち並ぶ議員が拍手して一行を出迎える。人のアーチの中でお互いに抱擁し、肩を叩き何かを囁き会う。
そうして漸くのことで演壇に立った大統領に議場から改めて一際大きな拍手が沸く。女性議長が、「トン!」と軽く議長席の卓を木槌で叩く。会場がシーンと静まる。
大統領が、振り返りその議長と隣の副大統領に黄色の演説草稿のようなものを手渡す。
やおら演説が始まった。
一区切りしゃべるつどに、議員は立ち上がって拍手する。その間、大統領はぐるりと会場の反応を見極めるように眺め渡して、次のフレーズを続ける。
卓上に演説原稿がおいてあるのかどうかさえわからなかった。が、50分近くの演説中一度もその視線をテーブルに落とすようなことはなかった。
演説の柱は、第一に石油などの輸入エネルギーに頼らなくてすむように太陽光発電などクリーンエネルギーの開発とそれに伴う雇用創出。
第二には、医療保険の拡充。この面では、30日間で10年間の成果を挙げ、1100万人が新たに医療を受けられるようになった。今後さらに、電子カルテルの導入、予防医療の充実に力を入れる。
第三には、教育改革。今、高校に入っても中退者が多い。大学を卒業できるのも入学者の半分である。これからのアメリカが競争力をつけるためには、全ての国民が高卒以上の学力をつける必要がある。そのためには、700万人の学費援助を目指す。
これらを実現していくためには、厳しい財政規律が求められる。これには時間がかかるが、既に2兆ドル(200兆円)の無駄がみつかった。
国防予算についても意味もない武器を購入することを止める。イラクでの無駄を終わりにする。(※ このことについては、果たして、故アイゼンファワー大統領でさえその脅威を警告したアメリカの産軍複合体にどこまで、オバマ政権が、その削減に切り込めるのだろうか…という思いがする。)
そして、自分が今話したことを、確実に実行するかどうか副大統領が厳しく監視するのだと、後ろの副大統領を振りかって、彼を立てることを忘れなかった。
また、演説の最後の方では、ある中小企業の経営者は、苦しい経営の中で自分のボーナスの中から困っている人々に黙って支援している立派な人が居るといって、傍聴席の中年男性を紹介した。
この経済的な苦境を我々が抜け出すためには、希望を失わずにこのような人々をみならって各自が奉仕の精神を持ち、その責任をはたしていくことであるとした。家庭でもTVの後で親は子供の宿題をみてやるべきだとした。そして何としても自分たちの子供たちの世代に負債を残さないことであると締めくくった。
演説を終えた、大統領は、万雷の拍手に包まれて、再度、議場の人々と握手しにこやかに会場を後にしていった。
とにかく今のオバマ大統領は、まさに千両役者である。
恐らく、今世界中の多くの人々がそう感じているのではないだろうか。どうかこの多くの期待が落ちた偶像として裏切られることのないよう願いたい。
ところで、視ていて、私の頭の中には絶えずつい先日も目にしたわが国の国会中継の映像がオーバーラップしていた。
冗長で退屈な各省庁が割り当てられて官僚が書いたに違いないホッチキスで止めたようなめりはりのない原稿の棒読みのような施政方針演説。与野党お互いに揚げ足取りの重箱の隅をつつくような質疑応答。なんとした違いだろうか。
アメリカは、やはりたいしたものである。何よりも良くも悪くもダイナミックである。そして何よりも明るさを感じる。
そこには、これでは駄目だとなったらためらいなく、過去のしがらみを一時棚置きしてでも、これはと思う若きリーダーに託そうとする勇気を国民が持っているからだろうか。
ともあれ、今回のオバマ大統領の議会演説中継は、我々にとって、実にタイミングの良い政治学習の格好の好材料だと思った。
とにかく米国連邦議会議員上下合わせて、533人に対して、わが国では衆参合わせて722人。
その予算規模を比べれば、前者は約290兆円、後者は約85兆円。人口比、2億6千万人対1億3千万。
先ずはここから見直しが必要ではないか。
追記:演説要約部分、同時通訳を聞いての記憶だけで記しため正確でないことをお断りしておきます。
午前11:時から12時15分まで、NHK、BS1「オバマ大統領議会演説中継」を視聴した。アメリカ議会でのこのようなものを、じっくりと見るのは初めてだった。NHKだって過去にこんなものを生中継までしたことがあっただろうか。かくほど左様に今、世界中がオバマ大統領の一言一句に注目しているということだろうか。
視ていて実に面白かった。まさに千両役者である。満場の議会に、狭い後方の入り口から、二人のいかめしい紳士に先導されて、オバマ政権の閣僚連(ヒラリー・クリントン国務長官他)を先触れにオバマ大統領が入場。通路の両側に立ち並ぶ議員が拍手して一行を出迎える。人のアーチの中でお互いに抱擁し、肩を叩き何かを囁き会う。
そうして漸くのことで演壇に立った大統領に議場から改めて一際大きな拍手が沸く。女性議長が、「トン!」と軽く議長席の卓を木槌で叩く。会場がシーンと静まる。
大統領が、振り返りその議長と隣の副大統領に黄色の演説草稿のようなものを手渡す。
やおら演説が始まった。
一区切りしゃべるつどに、議員は立ち上がって拍手する。その間、大統領はぐるりと会場の反応を見極めるように眺め渡して、次のフレーズを続ける。
卓上に演説原稿がおいてあるのかどうかさえわからなかった。が、50分近くの演説中一度もその視線をテーブルに落とすようなことはなかった。
演説の柱は、第一に石油などの輸入エネルギーに頼らなくてすむように太陽光発電などクリーンエネルギーの開発とそれに伴う雇用創出。
第二には、医療保険の拡充。この面では、30日間で10年間の成果を挙げ、1100万人が新たに医療を受けられるようになった。今後さらに、電子カルテルの導入、予防医療の充実に力を入れる。
第三には、教育改革。今、高校に入っても中退者が多い。大学を卒業できるのも入学者の半分である。これからのアメリカが競争力をつけるためには、全ての国民が高卒以上の学力をつける必要がある。そのためには、700万人の学費援助を目指す。
これらを実現していくためには、厳しい財政規律が求められる。これには時間がかかるが、既に2兆ドル(200兆円)の無駄がみつかった。
国防予算についても意味もない武器を購入することを止める。イラクでの無駄を終わりにする。(※ このことについては、果たして、故アイゼンファワー大統領でさえその脅威を警告したアメリカの産軍複合体にどこまで、オバマ政権が、その削減に切り込めるのだろうか…という思いがする。)
そして、自分が今話したことを、確実に実行するかどうか副大統領が厳しく監視するのだと、後ろの副大統領を振りかって、彼を立てることを忘れなかった。
また、演説の最後の方では、ある中小企業の経営者は、苦しい経営の中で自分のボーナスの中から困っている人々に黙って支援している立派な人が居るといって、傍聴席の中年男性を紹介した。
この経済的な苦境を我々が抜け出すためには、希望を失わずにこのような人々をみならって各自が奉仕の精神を持ち、その責任をはたしていくことであるとした。家庭でもTVの後で親は子供の宿題をみてやるべきだとした。そして何としても自分たちの子供たちの世代に負債を残さないことであると締めくくった。
演説を終えた、大統領は、万雷の拍手に包まれて、再度、議場の人々と握手しにこやかに会場を後にしていった。
とにかく今のオバマ大統領は、まさに千両役者である。
恐らく、今世界中の多くの人々がそう感じているのではないだろうか。どうかこの多くの期待が落ちた偶像として裏切られることのないよう願いたい。
ところで、視ていて、私の頭の中には絶えずつい先日も目にしたわが国の国会中継の映像がオーバーラップしていた。
冗長で退屈な各省庁が割り当てられて官僚が書いたに違いないホッチキスで止めたようなめりはりのない原稿の棒読みのような施政方針演説。与野党お互いに揚げ足取りの重箱の隅をつつくような質疑応答。なんとした違いだろうか。
アメリカは、やはりたいしたものである。何よりも良くも悪くもダイナミックである。そして何よりも明るさを感じる。
そこには、これでは駄目だとなったらためらいなく、過去のしがらみを一時棚置きしてでも、これはと思う若きリーダーに託そうとする勇気を国民が持っているからだろうか。
ともあれ、今回のオバマ大統領の議会演説中継は、我々にとって、実にタイミングの良い政治学習の格好の好材料だと思った。
とにかく米国連邦議会議員上下合わせて、533人に対して、わが国では衆参合わせて722人。
その予算規模を比べれば、前者は約290兆円、後者は約85兆円。人口比、2億6千万人対1億3千万。
先ずはここから見直しが必要ではないか。
追記:演説要約部分、同時通訳を聞いての記憶だけで記しため正確でないことをお断りしておきます。
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