蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

地域興し?―私のこの一年―(その4)肩の荷を降ろす

2010-04-05 23:20:34 | 田舎暮らし賛歌
4月5日(月)雨のち曇り、花冷えの一日。






 繭玉のように白く点々と咲いていた辛夷の花が、たちまち薄茶色に萎んで散っていく。代わりに隣の山桜の梢に小豆色の小さな花が咲き始めた。この1年の何と早かったことか。

 退職して10年弱、再びは人前に立つ事も無いと半隠居を気取ってきた所へ、順番で15軒ほどのお隣さんの組長となったら、今度は十人集まった組長の中から区長、区長代理、会計の三役を互選することとなり、まだ組に入って4年足らずの新参者にも係わらず年嵩とあってか区長に選ばれてしまった。

それが去年の3月。それからの1年の大よそは(その1)~(その3)に記した。
そして、先日の3月31日、一年間のお勤めご苦労様でしたということで、新区長に引継ぎを終え、お役御免となった。

ダンボール箱2個分の帳票、文書類を引き渡したら、吾が作業場に散らかっていた文書が一掃されるとともに、文字どおり肩の荷を降ろした実感を味わった。
何と大げさなと、云われるかもしれない。

しかし、現職のころ、平均3年ぐらいで異動をしていた時の後任者との引継ぎ時には、今回のような直に身体に感じるようなことはなかった。

この1年間は、何処へ行くにも自分の組のと、組長の名簿を持ち歩いた。組の何方かの家で不幸があれば、直ちに葬儀委員長として駆けつけなければならない。

現職の時の会議では、役職や立場で物事がそれなりに決まっていく。ところが、自治会となると、メンバーは全て対等である。
特に、農業専業の方々は、皆、一国一城の主。簡単に執行部の言いなりになるものではない。拙速を好まない。昔からのしきたりが巌と鎮座する。行きつ戻りつである。

それでも、10人の組長さん仲間とは、最初は誰が誰だか気心も分からなかったのが、月に2回も3回も顔を合わせ、共同作業をしてい行く内に今ではすっかり仲良しグループになってしまった。
これからこの地で暮らしていく中でなんと心強い仲間を得られたことだろうか。
早速、少し落ち着いたら、皆で改めて近くの温泉につかり一杯やろうということになった。

もう朝早く人が訪ねてくることもなくなった。それも少し寂しくはあるが、朝寝坊の私には、ありがたいことである。
それにしても、これまであまり意識してこなかった自治会活動。これから長寿者がますます増えていく中にあって、いよいよ大切なものであることを、そしてその運営のあり方について、様々な工夫が必要なことを実感した。

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