蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

国会中継「衆院予算委員会集中審議」、社民党阿部知子議員の質疑に注目した!

2007-03-02 01:08:56 | 時事所感
3月1日(木)晴れ。暖。

  午後、外出から帰宅して、何気にラジオをつけたら国会中継、「衆院予算委員会集中審議」をやっていた。その最終番手に、社民党阿部知子議員が立った。
 よく通る声。相手を確り見据えての諄々として丁寧に語りかけてゆく、その声に思わず耳を傾けてしまった。

  先日の、東京築地市場の重金属で土壌汚染の深刻な東京ガス豊洲工場跡地への移転問題の質疑でも、一々データを挙げての追求に、環境大臣も今後の推移から目を離さずに注視することを約した。

  私はこの時もTVで中継を見ていて、感心した。築地市場の移転は、一東京の問題ではなく、そこでの取引を通じて全国民の食と健康に影響する問題であると。自己の医師ととしての視点と経験に裏打ちされた、付け焼刃でない切実な問題意識が聞く者に伝わってくるのだ。

  今日もそうだった。インフルエンザの予防ワクチン、タミフルによる副作用問題を取り上げての質疑だった。
  仙台でタミフルを服用した中学生が立て続けに二人も亡くなったという話だ。このワクチンを服用すると、数時間以内に異常な興奮作用(突如前方に突出して走りだすとか…)をもたらすのではないかという疑惑が濃厚なのだという。
  既に似たような症状を呈して数人の死者がでているという。にも拘らず、厚生労働省は、因果関係が明確に立証できないとして何の手もうとうとしない。
  何故なのか。疑わしきは罰しない。この姿勢が、これまでエイズ問題など遅れをとって、多くの被害者をだしてきたではないかと、今や安倍総理のご都合で首の皮一枚で繋がっている柳沢大臣に鋭く迫った。
  同省の、薬事行政、労働行政、いずれもどっちの方向向いての役所なんだと言う、国民の怨嗟を見事に代弁し、そのゆがんだ姿勢を浮き彫りにするものだった。

  そして、返す刀で、文部科学省が既に、この事実に注目して、全国の教育委員会に、インフルエンザや感冒でタミフルやその他の薬を生徒に処方した際は、保護者に当該生徒から目を離さないよう注意すべく通知したことを確認して評価した。

 このあたり、政府を攻撃するばかりが目立つ野党の質問にあって、聞いている身にとっては、なかなか好感の持てる質疑であった。

 さぞかし、答弁に立った伊吹大臣にとっては、全国放送の国会中継の晴れの舞台で、いささかの花を持たされた格好で、このところ別の問題で陰口をささやかられることの多い、身にとっては心地よかったのではないか。

 阿部議員は、過日みたNHKの日曜討論でも、与党議員の説明に結構納得できることはうなずいて耳を傾けるなど、社民党議員とは言え、柔軟な姿勢が見ていて好感がもてるのだ。

 しかしこの方、つい最近まであまりお目にかっかたことがなかった。
 
 そこでお馴染みのウィキペディアや国会議員名鑑ぶぶりすてらにあったって見たら、なかなか面白い経歴がわかった。
 現在、58歳。いわゆる団塊の世代のお一人か。東大医学部出身の小児科の先生を長くやってこられたのだ。学生時代は学園紛争で新左翼に属されていたとか。それだけ正義感に富んでいられと見る。

 にも拘らず、国会議員になられてからは、海外戦没者の遺骨収集に大変熱心な取り組みをみせて、与党議員にも評判がいいとか。神奈川12区藤沢市、高座郡が選挙区で、2000年以来過去三回衆院小選挙区に立つも落選、現在は南関東ブロックの比例代表とか。

 もう10年早く、選挙にお出になっていれば、今頃、大物に化けていられたのではと思うのだが。
 今回の質問に当たっても、仙台の現地に足を運び、なにかあれば、関係者をともなって所管の部署や大臣にも物申しに行かれる様子。真に惜しいものである。
 今後の一層のご活躍を注目したいものである。山椒は小粒でもぴりりと辛いのだ。 


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