9月15日(金) 曇り、一時薄日射す。
夕方、ヤフーのニュースで、下記の記事を見た。
『オウム・松本被告、死刑が確定
地下鉄・松本両サリン事件や坂本堤弁護士一家殺害など13事件で殺人罪などに問われ、1審で死刑判決を受けたオウム真理教の麻原彰晃こと松本智津夫被告(51)について、最高裁第3小法廷(堀籠幸男裁判長)は15日、控訴趣意書の未提出を理由に控訴を棄却した東京高裁決定を支持、弁護側の特別抗告を棄却する決定をした。
これにより、初公判から10年5か月に及んだ松本裁判は、控訴審で一度も公判が開かれないまま終結し、松本被告の死刑が確定した。
松本被告の裁判は、1996年4月に東京地裁で初公判が開かれ、2004年2月、死刑判決が言い渡された。控訴審では、弁護人が「被告に訴訟能力はない」と主張して控訴趣意書を提出期限(昨年8月末)までに提出しなかったため、東京高裁は訴訟能力を判断するための精神鑑定を行った上で、今年3月、控訴棄却を決定。弁護側の異議申し立ても同高裁が退けたため、弁護側が最高裁に特別抗告していた。(読売新聞) - 9月15日16時10分更新』
◆◆◆◆
松本サリン事件、ようやく首魁が断罪された!10年余の歳月が流れたのだ。無数の状況証拠、証言がありながら、最終的な断罪にいたるまでに、かくも丁寧な裁判がなされる、世界一の人権尊重法治国家ではないか。
しかし、これでもまだ目が覚めないマインドコントロールにかかったままの信者が多数居るのだ。一人の男の呪縛にがんじがらめになってしまう、人間の心の不条理。そして、人間ロボットの如く何の躊躇いもなく平気で殺人を犯してしまう。否、彼らにはそもそも犯すなんて意識すらなかったのだろう。
だが、これは、平成の一見平和な、日常社会の中で起こったから、その異常さが際立って、我々の眼にはっきりと見えただけなのではなかったか。
その、僅か40年余り前には、世界各地で、はるかに大規模に様々の異形の首魁たちによって、ホロコーストを始めとする戦争という名の虐殺がくりひろげられたではないか。そして今もなお、聖戦、対テロの名の下に。
先日のNHKのクローズアップ現代だかで、未だに1000人以上の信者が、首魁の事件への無関与を信じて、日夜修行に励んでいると報じていた。
その際の女性信者へのインタビューが耳に残っている。信者になる前は、大きな会社のOLとして経済的には恵まれていた。今はその時に比べればはるかに収入は少ないが、今の生活の方が遥かに幸せだと語っていた。
私の知人の弟さんは、たまたま、あの地下鉄に乗り合わせて現場にいてガスを僅かに吸ったと言う。しかし、その時は何でも無かったのが、その後、徐々に体調の異常を訴えるようになり、数年前、肺がんかなにかで亡くなったという。彼は、地下鉄サリン事件に遭うまでは、極めて元気な働き者だったそうだ。
私は、その話を聴いた瞬間、俄かには信じがたい気がした。「それで、警察とかには、届けなかったのですか?」と訊いた。
だが、自身が高齢の彼女は淡々と「時間もたっていたし、そうだと証明するのも難しいし、しょうがなかったのよ」と答えた。私は、唯、唖然とするほかなかった。
無力な者は、被害の声も上げ得ないのだ。
そして思ったのは、あの場に居合わせた人々は、多かったに違いない。その中には、このようなケースもまだまだあるのではないだろうか、と。
首魁の指示で、大量殺人を実行してしまった、かっての部下たちの、ほとんどは、自分たちが、何故あんなことをしてしまったかと、今、悔やみきれない気持ちでいるという。
事件は、一応落着したかに見えるが、何ともやりきれない思いがする。そして未だに後遺症で苦しんで居られる方も多いのだ。
あらためて、この事件で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申します。
夕方、ヤフーのニュースで、下記の記事を見た。
『オウム・松本被告、死刑が確定
地下鉄・松本両サリン事件や坂本堤弁護士一家殺害など13事件で殺人罪などに問われ、1審で死刑判決を受けたオウム真理教の麻原彰晃こと松本智津夫被告(51)について、最高裁第3小法廷(堀籠幸男裁判長)は15日、控訴趣意書の未提出を理由に控訴を棄却した東京高裁決定を支持、弁護側の特別抗告を棄却する決定をした。
これにより、初公判から10年5か月に及んだ松本裁判は、控訴審で一度も公判が開かれないまま終結し、松本被告の死刑が確定した。
松本被告の裁判は、1996年4月に東京地裁で初公判が開かれ、2004年2月、死刑判決が言い渡された。控訴審では、弁護人が「被告に訴訟能力はない」と主張して控訴趣意書を提出期限(昨年8月末)までに提出しなかったため、東京高裁は訴訟能力を判断するための精神鑑定を行った上で、今年3月、控訴棄却を決定。弁護側の異議申し立ても同高裁が退けたため、弁護側が最高裁に特別抗告していた。(読売新聞) - 9月15日16時10分更新』
◆◆◆◆
松本サリン事件、ようやく首魁が断罪された!10年余の歳月が流れたのだ。無数の状況証拠、証言がありながら、最終的な断罪にいたるまでに、かくも丁寧な裁判がなされる、世界一の人権尊重法治国家ではないか。
しかし、これでもまだ目が覚めないマインドコントロールにかかったままの信者が多数居るのだ。一人の男の呪縛にがんじがらめになってしまう、人間の心の不条理。そして、人間ロボットの如く何の躊躇いもなく平気で殺人を犯してしまう。否、彼らにはそもそも犯すなんて意識すらなかったのだろう。
だが、これは、平成の一見平和な、日常社会の中で起こったから、その異常さが際立って、我々の眼にはっきりと見えただけなのではなかったか。
その、僅か40年余り前には、世界各地で、はるかに大規模に様々の異形の首魁たちによって、ホロコーストを始めとする戦争という名の虐殺がくりひろげられたではないか。そして今もなお、聖戦、対テロの名の下に。
先日のNHKのクローズアップ現代だかで、未だに1000人以上の信者が、首魁の事件への無関与を信じて、日夜修行に励んでいると報じていた。
その際の女性信者へのインタビューが耳に残っている。信者になる前は、大きな会社のOLとして経済的には恵まれていた。今はその時に比べればはるかに収入は少ないが、今の生活の方が遥かに幸せだと語っていた。
私の知人の弟さんは、たまたま、あの地下鉄に乗り合わせて現場にいてガスを僅かに吸ったと言う。しかし、その時は何でも無かったのが、その後、徐々に体調の異常を訴えるようになり、数年前、肺がんかなにかで亡くなったという。彼は、地下鉄サリン事件に遭うまでは、極めて元気な働き者だったそうだ。
私は、その話を聴いた瞬間、俄かには信じがたい気がした。「それで、警察とかには、届けなかったのですか?」と訊いた。
だが、自身が高齢の彼女は淡々と「時間もたっていたし、そうだと証明するのも難しいし、しょうがなかったのよ」と答えた。私は、唯、唖然とするほかなかった。
無力な者は、被害の声も上げ得ないのだ。
そして思ったのは、あの場に居合わせた人々は、多かったに違いない。その中には、このようなケースもまだまだあるのではないだろうか、と。
首魁の指示で、大量殺人を実行してしまった、かっての部下たちの、ほとんどは、自分たちが、何故あんなことをしてしまったかと、今、悔やみきれない気持ちでいるという。
事件は、一応落着したかに見えるが、何ともやりきれない思いがする。そして未だに後遺症で苦しんで居られる方も多いのだ。
あらためて、この事件で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申します。
死刑は当然ですが、この長い歳月、松本被告は三食付きの生活、被害者の方は補償もなく大変な思いをされた事でしょう。
お知り合いの弟さんのように声もあげず(因果関係もわからぬまま)亡くなった方も絶対にいると思います。
医学部6年生だった娘さんを亡くされたお母さんはお墓にまだ娘さんの名前を刻めない・・とおっしゃっていましたね。
恐ろしく、また時代が生んだような気がする事件です。
たまらないお気持ちでしょうね。他の26人の方々、そして今もサリン中毒の後遺症に苦しまれている方々。
自分たちだけの、独りよがりの屁理屈で、その行為の結果も、やった自分の未来も想像できない、頭脳とはどんな構造になっているのかと、思ってしまいますね。
今日も、コメントありがとうございました。
これで、明日から、また何か書く元気をいただけました。