蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

“NHK、HV特集 フロンティア 「映像詩 プラネット」”を見て驚く!

2007-01-20 00:30:43 | 日常雑感
1月19日(金)晴れ。小春日和の一日。

 朝から暖かな日である。これも昨晩、夕食後に見た“NHK、HV特集 フロンティア<新>「映像詩 プラネット」”で告発されていた地球温暖化のせいかと、ふと思えば、「こんな小春日和には…」なんてのどかな気分にひたってはいられないのだ。
 それほど、この番組は衝撃的であった。

 NHKのホームページの番組紹介では次のように載っていた。  

 『急速に進む地球環境破壊。森林は消失し、砂漠は広がり、多くの種が絶滅し、異常気象が世界を覆う…。人類は、その動きを止めることができるのか。温暖化の影響で溶け出す氷河、森林破壊で息絶えていくゴリラ、ホルマリン漬けにされた多くの絶滅種、途上国に運ばれて捨てられた工業廃棄物…。地球規模の環境変動を、映像詩というざん新な手法で表現し、鋭く問いかける意欲作。(2006年・スウェーデン)』

 冒頭、ブラジルのルーラ大統領の登場である。彼は、中学卒か何かで貧民層出身。今、中国を中心とする大豆需要の急速な伸びに合わせて、ブラジルの大森林を伐採し大豆畑に変え、そこに貧民層の農業労働者を吸収し生活水準の向上を図る政策を推進中とのこと。

 だが、反面では、それは世界的に貴重な森林を破壊し、これまで森林と共生して生きてきた先住民を追い詰めつつあるのだ。

 このままで進めば、世界の森林面積は、毎年2万~2万5千平方キロずつ減り続け、100年後には現在の20%も消失してしまうという。
 そして、その影響で脊椎動物は半減し、500万種の生物が全滅するという。現に、この20年間でゴリラは10万頭から2万頭に激減したそうだ。
  
 南米チリから3700K離れたモアイ像で有名なイースター島。かっては椰子の巨木が密生する熱帯雨林の自然豊かな島だったそうだ。それが移住してきた人間(ポリネシア人)が、当初はその森林資源のお陰で豊かに暮らしていたのが、際限なく伐採したため、生活できなくなり、人々は殺し合い食人の風習をさえ生じるところとなったという。
 イースター島での人間生活の崩壊は、この島を地球に置き換えたら、今、我々は再生不能の地球資源を闇雲に消費し尽し、同じ轍を歩んでいるという。

 今、我々一人が生きていくのに必要な地球面積は、1.8ha必要なところ、一人当たりに換算すると既に2.2ha使っているという。因みに、アメリカ人は、9.5ha、スイス人は5ha使っている。
  今後、中国、インドが急激な経済成長を遂げて、アメリカやスイス並みの生活をするようになったら、地球が5個分いることとなるそうだ。
 
 だからと言って、今の先進国が、インドや中国に対して自分たちと同じような生活を求めるな、するなとはいえないのである。

 このまま人類が増え続ければ2050年の地球人口は、90億になるという。

 今でさえ、10億人の人々が、上水に困っているという。
 そして様々な人間活動から排出される二酸化炭素濃度はこの75万年間で最高の濃度をしめしているという。
 1980年以降、年々高温化による気象異常が世界各地で起きている。
 今、南北の極地の氷は融けだし、ヒマラヤ山脈の氷河も消滅、後退しつつあるという。このためヒマラヤの雪解け水に依存するインドでは穀物生産ができなくなるという。
 さらに100年後には気温が6~7度も上昇し、人類は破滅の淵に瀕することとなるそうだ。
  そしてこの増え続ける人間が排出する産業廃棄物で、アフリカ大陸は今やヨーロッパのゴミ捨て場と化しつつあるという。

 「なあーにそんなことは、一部の学者の悲観的な見方であって、人類は、なんだかんだと言いながら、その時がくれば知恵を出し合って切り抜けていくよ」と、多くの方々は、気楽に極楽とんぼを決め込まれるのだろうか。

 そして、明日もゴルフにブランドものショッピングにお出掛けになり、四月の統一選挙では、石原夜郎事大大統領閣下や宮崎の東何とか候補に嬉々として、どうせ他にどんな玉がいるんだいとばかりに、貴重な一票をお投じになるのだろうか。

 「年金破状をどうするんだ、核兵器を持つの持たないの、愛国心がどうのこうの」とガヤガヤ、ゴチャゴチャさんざめき合っているうちに、ある日目が覚めたら、美しい国はどこへやら。
  富士山の頭だけが、ニョッキリ海から突き出ていて、わが身はベットごと太平洋や日本海にプカプカ浮いていたなんてことに、果たしてならないという保障がどこにあるのだろうか。

 目睫の間に迫っているかと思われる、地球最後の日の予兆を回避するためには、今こそ一国主義は捨てて、国連を世界連邦の政策決定機関に、執行機関に早急に変えていかなければと、あらぬ気を揉むのは、山家の隠居の呆け妄想だろうか。

と、思うこの頃、さて皆様はいかがお思いでしょうか。