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フィデューシャリー・デューティー=「受託者責任」 端境の世代として(2)

2017-07-30 18:16:30 | 株式投資・資産運用
フィデューシャリー・デューティー=「受託者責任」 端境の世代として(2)

 私自身は現在、年齢は50代後半にさしかかりました。
 ブログの方は重みのない内容を書き散らかしているためか(^_^;)、もっと若いと思っている方も時々ありますが。

 この世代としてのは、個人投資家としては「端境(はざかい)の世代」になるのではないかという印象を持っています。

 というのは、私よりも少し上の、60歳以上の年齢層の方というのは、パソコンやスマホには抵抗感があり、インターネット
についても十分に使いこなすことができにくい、そうした人の比率というのが年齢があがるに従って高まっていくと思われます。
 無論、個々で、とりわけ現役で仕事をされている方はバリバリ、ネット、パソコン、スマホを使いこなしている方もありますが。

 で、こうした50代後半以上80代までといった人は、証券会社の支店の主たる顧客になっていると思われます。

 こうした世代は持っている金融資産の額は多く、逆に金融商品に対する理解やコストに対する意識は高くない場合が傾向として
多い。いわば、昔ながらの証券会社のお客さんで、こうした世代の顧客から得ている利益の割合というのは、とりわけ旧来からある
野村や大和に代表される大手証券の場合は相応に高いのでしょう。

 投資家側から見れば、本来は必要のない高コストを負担してきた世代という言い方もできるかと思います。

 なお、平日に開催される会社説明のIRセミナーは、無論、現役で仕事をされている世代はそもそも参加できない時間帯に開催
されていたりするからですが、私は参加者の中で最も「若手」になっていることがよくあります。
 ほんとに今後のことを考えるのであれば、こうしたIRセミナーも、土日や祝日など、現役仕事世代も参加しやすい時間設定を工夫
するべきでしょうね。

 逆に私よりも若い世代はどうでしょうか。

 仕事や日常生活の中で、パソコン、スマホ、ネットがあるのはそもそも当たり前で抵抗感はありません。
 持っている金融資産の額は年齢が低下するに従って少なくなっているでしょうが、証券投資もネットで低コストでの売買を行うのが
基本であり、一般に金融リテラシーも高い人の比率が高いように思われます、傾向としてね。

 こうした層の投資家も、私自身が年齢を重ねるのと同様に歳を重ねていきます。

 フィデューシャリー・デューティーの概念も重要ですが、ここから10年、20年と経過すれば、個人投資家の中心となる層は入れ替わり、
資産も下の層の移転される場合が多くなります。

 となった時に、さきに挙げたような高コストの商品群が果たして生き残っているのかどうか、今の高コストで積極的に選択する意味を
感じないファンドラップがそのままあるのかどうか、ここらは疑問で、金融機関自身が積極的に変化していかざるをえないと思われます。

 例えば、私自身の運用では預かり資産額が最も多い大和証券ですが、コンサルティングコースとダイレクトコースでは様々な点が違います。
まあ、これは大和に限らず、同じようなところは他社でもありますが。

 そもそも株式の売買手数料が違います。同じネットでの注文であっても、コンサルティングコースの方が高く、さらに支店に電話しての
注文だともう少し売買手数料が高くなります。

 IPOの注文はネットと支店ではまったく別で、前者はチャンス当選などの仕組みはありますが、基本は単純に抽選、後者の配分は「裁量」
という名の闇の中状態です。 キャンペーンなどもダイレクトコースのみで実施されているものがあったりします。

 この状況を当たり前と思うか思わないか?。
 本当に支店で顧客本位の「コンサルティング」、つまり、フィデューシャリー・デューティー=「受託者責任」が貫かれていいれば、
それに対応したコストが単純に自分自身での判断を行うネットでの取引よりもややコストが高いというのはわかるようにも思います。

 が、多分、個々の事例はともかく、全体としてそうなっているとは思いづらいですね。

 まあ、支店の営業くんにあれこれ言ってもしょうがないのですが、支店で話す機会があったら、雑談的にでもあれこれ聞いてみましょうか。

 ネット証券関係では大阪で8/19(土)にカブ四季総会があります。これはカブドットコム証券の企画です。

 これに参加できたら、フィデューシャリー・デューティーについて聞いてみましょうか。カブドットコムはつまらん仕組債の販売というのは
あまり見ない印象があります(興味がせないので気がつかないだけかも)が、投信は高コストのものもラインナップの中にありますね。

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フィデューシャリー・デューティー=「受託者責任」 端境の世代として(1)

2017-07-30 17:13:59 | 株式投資・資産運用
フィデューシャリー・デューティー=「受託者責任」 端境の世代として(1)

捨てられる銀行2 非産運用 (講談社現代新書)
クリエーター情報なし
講談社

 図書館本ですが、この本を読んでいます。

 この中で、ここのところたびたび耳にするフィデューシャリー・デューティについて詳しく触れられています。

 フィデューシャリー・デューティー、言いにくいわっ!、これは「受託者責任」とでも訳される言葉です。
「資産運用を受託した者が、つまり資産運用を委託した者に対して負う責任」ということで、まあ、顧客優先の考え方ということですね。

閣議決定された「日本再興戦略2016」の中に以下のような文言があるそうです。

「金融商品の販売・開発に携わる金融機関に対しては、顧客(家計)の利益を第一に考えた行動がとられるよう、
また、家計や年金等の機関投資家の資産運用・管理を受託する金融機関に対しては、利益相反の適切な管理や運用
高度化等を通じ真に顧客・受益者の利益にかなう業務運営がなされるよう、フィデューシャリー・デューティーの
徹底を図ることとし、これにより、国民の安定的な資産形成への貢献を促す」

最近の毎月分配型投信への批判、その販売自粛、資金流出などはこうしたことの影響の一つと考えられます。

毎月分配型投信なんて、投資という視点からいえば明らかに損ですからね。
コストは高く、儲かるのは金融機関で、投資家側は、商品への理解、金融の知識が十分できていない人が多いと考えられ、
あたかも預貯金の利子のように分配金をありがたがってもらっていたりするケースもなおありそうです。

いわば、そうした投資家側の無理解なり無知につけこむように、金融機関側が利益を得ている、そんな状況というのはまあ、この
「フィデューシャリー・デューティー」という言葉を持ち出すまでもなく、不適切さがあると言わねばなりません。

同様に、オプションの売りを噛ませた、「債券」の名に値しない「仕組債」とやらも、実に「まずい」、逆に言えば販売側にとっては
「おいしい」商品でしょう。外貨関係でいえば、完全に自由化されてはいないブラジル・レアル建ての商品なんていうのは為替のコスト
が高く、その中にはレアル建ての商品を設定している金融機関が「抜いている」部分もあると推測します。

そして、アクティブ型の投資信託は、未だに入り口のところで3.24%の手数料をとり、しかも、信託報酬が1.5%もあったりする、
そんなのがいっぱい売られている、他に代替となる低コストの商品はいくらでもあるのに。

金融庁としてはこうした現況には大いに問題意識をもっているということで、これは投資家サイドから見れば「ぼったくり」系の商品が
淘汰されていく方向にあるということで、基本的には歓迎すべき動きだと思います。

とか、今になったら思いますが、20年ちょっと前に株式投資を始めた時は、私自身、金融商品のコストに対する意識というのは薄弱でした。

当時、150万ほどで、結果的にはブル型の運用となる投信を買って、少し基準価額が上昇したので売却しました。
ところが、ほとんど利益がないのです。なんでか。買った時には販売手数料を差し引かれていたからで、これを入れれば微益での手仕舞い
ということになりました。つまり、販売手数料の水準なんて買う時に全く意識していなかったわけです。

また、MMFというのは、なんでこれで金融機関の方は利益が出るのかというのが感覚的にわかりませんでした。
銀行預金をしたら銀行はそれを融資にまわして、貸し借りの金利差で利益を出すというのはわかりやすいです。が、MMFは投資信託で
信託報酬というものが日々かかっていて、それを投資家側が負担することで、商品を設定している側や販売する側は利益を得ている、
そうした基本的に仕組みについてすら理解がありませんでした。

今まで、投資系の商品についての売買経験がない人というのは、今でもこれと同じようなことというのはたくさんあるのだと思います。

長くなってきたので、続きは次回に。

<つづく>
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2017-07-30 07:10:25 | インターネット・パソコン・デジカメ
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書店でですが、これを買ってきました。

 とりあえず今までできていたことはできるようにはなりましたが、かなり多機能でもっと有効に活用できそうですから、いろいろさわって試してみます。

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