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フィデューシャリー・デューティー=「受託者責任」 端境の世代として(1)

2017-07-30 17:13:59 | 株式投資・資産運用
フィデューシャリー・デューティー=「受託者責任」 端境の世代として(1)

捨てられる銀行2 非産運用 (講談社現代新書)
クリエーター情報なし
講談社

 図書館本ですが、この本を読んでいます。

 この中で、ここのところたびたび耳にするフィデューシャリー・デューティについて詳しく触れられています。

 フィデューシャリー・デューティー、言いにくいわっ!、これは「受託者責任」とでも訳される言葉です。
「資産運用を受託した者が、つまり資産運用を委託した者に対して負う責任」ということで、まあ、顧客優先の考え方ということですね。

閣議決定された「日本再興戦略2016」の中に以下のような文言があるそうです。

「金融商品の販売・開発に携わる金融機関に対しては、顧客(家計)の利益を第一に考えた行動がとられるよう、
また、家計や年金等の機関投資家の資産運用・管理を受託する金融機関に対しては、利益相反の適切な管理や運用
高度化等を通じ真に顧客・受益者の利益にかなう業務運営がなされるよう、フィデューシャリー・デューティーの
徹底を図ることとし、これにより、国民の安定的な資産形成への貢献を促す」

最近の毎月分配型投信への批判、その販売自粛、資金流出などはこうしたことの影響の一つと考えられます。

毎月分配型投信なんて、投資という視点からいえば明らかに損ですからね。
コストは高く、儲かるのは金融機関で、投資家側は、商品への理解、金融の知識が十分できていない人が多いと考えられ、
あたかも預貯金の利子のように分配金をありがたがってもらっていたりするケースもなおありそうです。

いわば、そうした投資家側の無理解なり無知につけこむように、金融機関側が利益を得ている、そんな状況というのはまあ、この
「フィデューシャリー・デューティー」という言葉を持ち出すまでもなく、不適切さがあると言わねばなりません。

同様に、オプションの売りを噛ませた、「債券」の名に値しない「仕組債」とやらも、実に「まずい」、逆に言えば販売側にとっては
「おいしい」商品でしょう。外貨関係でいえば、完全に自由化されてはいないブラジル・レアル建ての商品なんていうのは為替のコスト
が高く、その中にはレアル建ての商品を設定している金融機関が「抜いている」部分もあると推測します。

そして、アクティブ型の投資信託は、未だに入り口のところで3.24%の手数料をとり、しかも、信託報酬が1.5%もあったりする、
そんなのがいっぱい売られている、他に代替となる低コストの商品はいくらでもあるのに。

金融庁としてはこうした現況には大いに問題意識をもっているということで、これは投資家サイドから見れば「ぼったくり」系の商品が
淘汰されていく方向にあるということで、基本的には歓迎すべき動きだと思います。

とか、今になったら思いますが、20年ちょっと前に株式投資を始めた時は、私自身、金融商品のコストに対する意識というのは薄弱でした。

当時、150万ほどで、結果的にはブル型の運用となる投信を買って、少し基準価額が上昇したので売却しました。
ところが、ほとんど利益がないのです。なんでか。買った時には販売手数料を差し引かれていたからで、これを入れれば微益での手仕舞い
ということになりました。つまり、販売手数料の水準なんて買う時に全く意識していなかったわけです。

また、MMFというのは、なんでこれで金融機関の方は利益が出るのかというのが感覚的にわかりませんでした。
銀行預金をしたら銀行はそれを融資にまわして、貸し借りの金利差で利益を出すというのはわかりやすいです。が、MMFは投資信託で
信託報酬というものが日々かかっていて、それを投資家側が負担することで、商品を設定している側や販売する側は利益を得ている、
そうした基本的に仕組みについてすら理解がありませんでした。

今まで、投資系の商品についての売買経験がない人というのは、今でもこれと同じようなことというのはたくさんあるのだと思います。

長くなってきたので、続きは次回に。

<つづく>

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