monologue
夜明けに向けて
 



カリフォルニアサンシャインその33
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LAPDの男性署員たちは夜の巡回パトロールのコースを決めていた。毎日同じドーナッツショップで同じ時間に顔を合わせる。
毎日夜12時ぐらいに目をつけている麻薬売人の家にパトカーのヘッドライトを当てる。泳がせていてもいつも見張っていることをわからせるためである。ある日系女性の家にバーバラ・ストレイサンドの歌がうまい白人女性がいるから来てほしいというのでギターを持って夜10時頃友達と訪れるとLAPDの男性署員たちが夜の巡回パトロールにやってきた。毎日その時間にその家にパトロールに来るという。しばらく防犯の話をしてからわたしのギターに気づいてわたしたちに歌を歌えと所望した。それで真夜中のライヴになった。白人女性は追憶を歌いたいというのでギターで伴奏した。驚くほどうまかった。プロの歌手を目指しているらしい。署員たちは喜んでわたしにも歌えと迫る。スリードッグナイトクリーデンスクリヤウオーターなどを咆えるように歌うとびっくりしてもっと静かにウタッテという。羽目を外し過ぎてはいけないと自制したらしい。それでも少しは日頃の凶悪犯たちと対峙する時の厳しいストレスが吹き飛んだら良かった…。
fumio


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カリフォルニアサンシャインその32
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アメフトや野球、バスケットボールなどを大画面で友達とワイワイ楽しむスポーツラウンジ酒場「燈り」のバーテンダーはLAPD(ロサンジェルス警察)の女性職員が夜バイトでやっていた。それで仲間の女性職員が連れ立って遊びにやってきた。どういうものかわたしの歌うウーマンウーマンが一時大人気になって彼女たちが現れるとリクエストされなくとも歌った。独身女性警察職員たちの心を打つらしかった。そしてある時同僚女性職員をアパートまで送ってやってくれと頼まれて仕事のあと、送って行ったものだった。警察関係とはいえ夜中の2時過ぎまで女性がうろついているとは…。日本では考えられない。
fumio

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カリフォルニアサンシャインその31
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その頃、ホールドアップ事件が多発していた。店のドアが突然開いて、脅しにエンターテイナーの頭上に一発発砲する。
ピストルを突き付けられると対応がむづかしい。あなたならどうするだろうか。LAPDのそばにあったスポーツラウンジ酒場「燈り」のマスター、ステイーヴ氏は武闘派で犯罪抑止効果のためにカウンターの下にでっかい拳銃をわざと見えるように置いていた。いつでもホールドアップに対処できるということだった。ところがある日、「フミオちゃん、昨日ヤラレタ。売上を持って外に出たとたん後ろから首にピストルを突き付けられた。」と残念がっていた。登録済みの銃は50ドルぐらいで登録していない銃は裏の組織で10倍ぐらい。そんな銃が犯罪に使用されるのだった。憲法修正2条で自衛のための武器の所持は認められている国なのでクラブの経営者は気を抜けない。
fumio

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