廃盤日記(増補改訂版)

めざせ!日本全国の中古盤店制覇!(by じみへん)

★羽海野チカ著 「3月のライオン」 (白泉社刊)

2010年12月04日 | BOOK
 
最近ハマっている漫画が、人気漫画家・羽海野チカさんのこの 『3月のライオン』 (白泉社刊)です。

いわゆる「将棋界」を題材にしたストーリーですが、描いているのが女流漫画家であるというのが特筆すべきです。実は前々から気にはなっていたのですが、食わず嫌いな先入観からなんとなく今まで読まずにスルーしてきてしまいました。出版元が白泉社というのも、ちょっと引っかかっていましたし(苦笑)。しかし、本作は青年漫画雑誌 『ヤングアニマル』 に連載のれっきとした男性向けコミックスなんですよね。

ちょうど先月、最新刊の第5巻が発売されたのをきっかけに、ダメ元で読んでみるかと神保町の三省堂書店で5巻まとめて大人買いしてみたところ、いやーこれが面白いのなんのって!!

正直、この手の将棋を題材にしたマンガで、実際の将棋界がどれだけ正確に、しかもプロ将棋の奥深さ、厳しさを表現できているかというと疑問符の付く作品がこれまで多かったものの、本作はかなり本格的で、しかもかなり正確に描写できていますね。

日本将棋連盟の全面協力のもと、プロ棋士の先崎学八段が監修し、コミックス単行本にはコラムまで掲載しているのですが、この将棋コラムも実に面白い。一粒で二度美味しいとはこのことか。将棋初心者にはチト難解な将棋具ネタも含まれていますが、将棋アマ有段者クラスでも通用する「なるほど」と思わせる解説内容になっているので、単なるページ数合わせのお茶にごし的なコラムではないことは保証できます。

単なる将棋マンガではなく、下町の人間模様まで複雑に絡み合わせて語る羽海野チカ女史のストーリーテーラーぶりはさすがと唸るばかりで早く続きが読みたいと思える今日この頃。ううっ、続きが気になる(苦笑)

読まず嫌いで未読の方は一度だまされたと思って読んでみて下さい。超オススメですよ!!!