廃盤日記(増補改訂版)

めざせ!日本全国の中古盤店制覇!(by じみへん)

★FELA KUTI 「WHY BLACK MAN DEY SUFFER」

2006年11月16日 | ERIC CLAPTON
 
またしてもジンジャー・ベイカー・ネタです(笑)。一般的には、フェラ・クティとジンジャー・ベイカーの競演といえば、名盤 『FELA RANSOME-KUTI The AFRICA'70 with GINGER BAKER』 が有名だと思いますが、1971年に発表された本盤『WHY BLACK MAN DEY SUFFER』にも、実はジンジャー・ベイカーが参加しておりました。目を凝らしてアルバム・ジャケットをよおく見ると「with GINGER BAKER」とレタリングされた文字でクレジットされていることが判るはずです。

作品的には前述のライブ盤の方が有名だと思いますが、フェラとジンジャー・ベイカーが最初に共演した作品としては、本作の方が先であります。演奏はもちろんのこと、共同プロデュースとしてもジンジャー・ベイカーは名前を連ねております。肝心の演奏に関してなのですが、ドラマーとしてはフェラのバンドである「アフリカ70」のトニー・アレンも一緒になって演奏しておりますので、どこからどこまでがジンジャー・ベイカーの演奏なのか、実はよく判らない(笑)というのが正直な感想なのでありますが、その後のフェラとの活動を考えると記念碑的な一枚であることには変わりありません。翌1972年には、ジンジャー・ベイカーのソロ・アルバム『ストラタヴァリウス』にフェラの方がゲスト参加しておりますし、1975年にはフェラのソロ名義アルバム『ヒー・ミス・ロード』で、今度はジンジャー・ベイカーがプロデュースを務めていることからも、この時期の二人はかなり親密な交流があったと考えられます。

ちなみに本アルバムは全2曲収録で、LP発売当時のA面に1曲、B面に1曲という、その後のフェラのお決まりパターンとなる長尺スタイルが最初に登場した作品であります。フェラが思い描いていた強烈なアフロビートが確立した最初のアルバムでもありますので、そういった視点から聴いてみるとまた新たな発見が生まれてくるかもしれません。

尚、2003年には念願の初CD化されただけでなく、国内盤CD(※但し中身輸入盤の国内盤仕様)も同時発売されておりますので、比較的簡単に入手できるのではないかと思われます。本文を読んで気になられた方は是非入手して聴いてみてください。ジンジャー・ベイカーのアフロビート好きな方は要必聴盤ですよ!


◎FELA KUTI with GINGER BAKER 『WHY BLACK MAN DEY SUFFER』 (African Songs UK)

01. WHY BLACK MAN DEY SUFFER 15:09
02. IKOYI MENTALITY VERSUS MUSHIN MENTALITY 13:01