道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

カポディモンテ美術館展(国立西洋美術館・台東区上野公園)

2010年08月30日 | 美術道楽
国立西洋美術館で開催中の「カポディモンテ美術館展」に遅ればせながら行きました。
カポディモンテ美術館はナポリの美術館だそうでして,ファルネーゼ家の収集したルネッサンスとバロックの美術とブルボン家の収集したナポリ・バロック美術のコレクションで有名とのことです。

この展覧会のポスターにも用いられているパルミジャニーノの「貴婦人の肖像」やティッツィアーノの「マグダラのマリア」,コレッジョの「聖アントニウス」,エル・グレコの「燃え木でロウソクを灯す少年」,レーニの「アタランテとヒッポメネス」,リベーラの「マグダラのマリア」など非常に興味深く作品を見ることができました。リベーラはカラヴァッジョの影響を受けた画家ですが,ドレスデンのアルテ・マイスター絵画館でその作品の一つ「牢獄の聖アグネス」を見たことがあります。アルテ・マイスター絵画館の解説書にも「聖アグネスはリベーラが聖バスティアヌスやマグダラのマリアとともに最も好んだ主題の一つである。」と書いてありました。

ほかにヴァザーリの回廊やルネッサンス美術家列伝で有名なヴァザーリの「キリストの復活」作品もありました。「キリストの復活」のテーマも多く描かれるテーマでして,例えば私も訪問したことのあるサンセポルクロ市立美術館にあるピエロ・デッラ・フランチェッスカの絵が有名ですが,ヴァザーリのキリストはどこか動きが不自然で,お茶目なイメージすら与えてしまっており,感銘力はいま一つのような気もします。

カポディモンテ美術館展は日曜日の10時に入りましたが,混雑もしておらず,絵も一つ一つが大きく,音声ガイドもペンタッチ式で使いやすく,ゆったりと見ることができました。絵も多すぎず,名画をゆっくりと見ることができ,とても満足のひとときを過ごしました。因みに音声ガイドは,話題の山本モナさんのナレーションです。

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