道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

佐伯祐三展(新宿歴史博物館・新宿区三栄町)

2010年04月11日 | 美術道楽
この間,記念講演を聴いて参りましたが,新宿歴史博物館で佐伯祐三展を見て参りました。
高階先生のお話を思い出しながら,展示の絵画を見ました。

ひろしま美術館,ポーラ美術館,大阪市立近代美術館建設準備室等の美術館から借りた作品もありましたが,個人蔵のものを借りてきた作品もありました。
佐伯祐三が10代描いた自画像からパリ時代の作品,下落合の作品とあります。

佐伯はパリでは,佐伯の絵を見たブラマンクから一言「アカデミック」と言われ,非難されたそうです(アカデミックという言葉がネガティブな文脈だったようです。)。しかし佐伯はその後も,ブラマンクから影響を受けたそうです,

展示絵画の中でパリの作品につきましては,建物の壁や広告塔の作品もありましたが,ほかにもリュクサンブール公園やパンテオンを描いた作品もありました。
下落合の作品は,高架橋?を描いた作品もありましたが,多くは下落合の風景そのものを描いており,その中で目立つのは,高階先生のお話にもあったように電柱でした。改めて電柱という存在がヨーロッパにはなく,日本には存在するのだということを認識しました。当時の下落合は,まだまだ田園風景の広がる地域だったようです。

パリ,下落合いずれの作品もいいのですが,やはりパリの作品の方が一般的には高い評価を得られるのではないかと思います。でも,下落合の作品にはパリの作品よりも暖かみが感じられるような気がしました。私の独自の見解ですが。

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