林芙美子は昭和6年11月巴里に向かいます。10日に下関を出て釜山に着き、朝鮮半島を縦断して満州鉄道から13日にシベリア(西比利亜)鉄道に入ります。モスクワに20日の夜着。三等寝台では色々な露西亜人に会います。すでにロシアではなくソ連になっていましたが、三等車に集う人は貧し気なプロレタリアートで、共産主義といいながらすでに貧富と階級があったことを看破しています。そしてワルシャワ、ベルリンを経由して23日夜明けに巴里到着です。二週間ほどの汽車の旅でした。約380円かかったといい、現在に換算するとざっと95万円です。現代ではビジネスクラスに乗ってもお釣りが来ますね。よくそんな大金を見た目17歳(とみられていた)の女性が一人、トランクを下げて旅行できたものです。稼いだ印税で家を買うよりも旅に出るという主義で、あちこちを旅行しました。
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