活字日記

毎日読んだ活字系(雑誌、本、新聞、冊子)を可能な限りレポートします。

【12月24日】

2022-12-24 | 新書

松尾芭蕉は奥の細道に旅立つときは、なんとなく旅立ったみたいなイメージがあるのですが、実はかなり用意周到に準備をしていたそうです。そもそも奥の細道は150日の紀行でした。かかる費用は100泊を旅籠に頼るとすると、昼食、草鞋代その他で300文から400文かかるそうです。150日では15両位かかるようで、これは庶民では持てない金額です。そして1両は160gですが小判は田舎では使えず、1両を1分金4枚にしても1分金は銭4000枚で、ある程度1文単位の銭を持つ必要があり、1文の重さは5円玉3.75gと同じ。300文で1.125kgとなり、10日分でも10キロを超えます。着替え、防寒具、水などで5キロを超えたとみられ、背負う荷物の半分が銭というのではなかったでしょうか。実際どうだったのか気になります。江戸も後期になると手形で大きな街場の両替商に送ることができましたが、元禄の頃はまだ経済がそこまで発達していなかったので、必要な費用は自分が運ぶという時代だったと思われ、長期の旅行は大変だったでしょう。庶民の長期旅行はお伊勢参りがありますが、庶民は施しを受けられたそうで、そんなに銭を持たなくてもよかったようです。

 

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