活字日記

毎日読んだ活字系(雑誌、本、新聞、冊子)を可能な限りレポートします。

【6月7日】

2020-06-07 | 文庫

富士山と八ヶ岳の高さを競う民話って聞いたことはありませんか。阿弥陀如来が計ってみたら八ヶ岳のほうが高かったので怒った富士山が八ヶ岳を蹴飛ばしたというものです。しかし、実際八ヶ岳のほうが高かった時代があるのです。八ヶ岳は蓼科山から始まって幾つかの火山が成長しましたが、30万年前から古阿弥陀岳というのが成長して25万年前にはきれいな富士山のような成層火山を作ったそうです。それは3400mと推定されるそうです。20万年前に巨大山体崩壊を起こしたそうです。その崩壊物で甲府盆地は100m位の厚さに埋め尽くされたのだそうです。世界的に見ても有数な山体崩壊だそうです。富士山は今の富士山の下に3個の富士山が隠れていて、古阿弥陀岳が3400mだった頃は古富士山と呼ばれる山体が2700mだったそうです。1万年前に今の富士山が溶岩をガンガン流して大きくなって3776mになりましたが、伝説・民話というのは意外と事実を伝えている(誰から聞いたのかわかりませんが)のだなぁと思いました(いつかは富士山も山体崩壊を起こす)。さて、北アルプスはいまでも3~4キロの地下にマグマがあって、溶岩の上に浮いているようなものらしいです。大きなカルデラを作る火山が幾つもできては崩壊し、残ったものが造山運動で持ち上がり氷河で削られてアルプスらしくなったという流れらしいです。山はただ登るだけではなく、こういうのを知っていると愉快です。

「「槍・穂高」名峰誕生のミステリー」原山智 山本明 ヤマケイ文庫

 

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